国連グローバル・コンパクト(UNGC)、CDP、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4者が運営する気候変動に関する科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)は6月10日、G7諸国の主要株式インデックスについて、構成銘柄の気温上昇レベルを分析した結果を発表した。日経平均株価(NIKKEI225)は「3℃上昇」という結果で、パリ協定不整合と判断された。
今回の分析は、6月11日から13日まで英コーンウォールで開催されたG7コーンウォール・サミットに先駆けて発表された。主要株式インデックスがパリ協定と整合していないことを示すことで、G7政府に対し、対策の強化を促す狙いがった。
今回の分析は、CDPとWWFが2020年に発表した手法を活用し、各インデックスが「何度レベル」かを算出した。
【参考】【国際】CDP、世界4000社の「気温格付」サービス発表。CO2排出や目標を基に「何度レベル」算出(2020年7月8日)
インデックス | 国 | 何℃レベル | SBTの排出量カバー率 | SBTの企業数カバー率 |
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NIKKEI225 | 日本 | 3.0 | 12% | 28% |
S&P500 | 米国 | 3.0 | 16% | 24% |
FTSE100 | 英国 | 3.1 | 7% | 48% |
DAX30 | ドイツ | 2.2 | 71% | 50% |
CAC40 | フランス | 2.7 | 41% | 78% |
FTSE MIB | イタリア | 22.7 | 41% | 23% |
SPTSX60 | カナダ | 3.1 | <1% | 10% |
今回の結果では、英国やカナダ等、化石燃料採掘世界大手を含む株式インデックスでの「何度レベル」やカバー率が悪い。
CDPとUNGCは今回、各国政府は、科学的根拠に基づく2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を策定する責任があると指摘。株主運用の世界では、パッシブ運用が米国で40%、欧州で20%を占めつつも、G7全体の主要インデックスではわずか19%しか科学的根拠に基づく2050年カーボンニュートラルを定めていないと批判した。
CDPとUNGCは、4つの勧告も示した。まず、企業と政府に対しては、企業の方針と政府政策が相互作用で正のサイクルを構築するよう協働しなければいけないとした。また、企業に対しては、サプライチェーンまでを含んだ脱炭素化を、機関投資家に対しては、スタンダードやサステナビリティ・リンク・ボンドで科学的根拠に基づく削減目標を埋め込むよう求めた。
そして、金融機関に対しては、経済のすべてのセクターでドミノ効果を生み出すため、ポートフォリオレベルで科学的根拠に基づく目標の設定を求めた。また、そのためのアクションとして、CDP Science-Based Targetsキャンペーンを紹介した。
【参照ページ】No major G7 stock index aligned with Paris climate goals
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