仏再生プラスチック・ベンチャーCarbiosは6月24日、コンソーシアムを組んでいるペプシコ、ロレアル、ネスレ・ウォーターズ、サントリー食品ヨーロッパとともに、酵素でPETをケミカルリサイクルされた世界初の食品グレードのペットボトル開発に成功したと発表した。酵素を活用したケイカルリサイクルの可能性が大きく広がった。
【参考】【国際】ネスレ、ペプシコ、サントリー欧州子会社、仏Carbiosのケミカル・リサイクル・プラスチック採用(2019年5月5日)
Carbiosの酵素を用いたPETリサイクル技術は、10年近くの研究開発の集大成。使用している酵素は、枯れ葉の膜を分解する自然界に存在している酵素で、大量に投入することでPETを分解する能力を発揮している。今回は、同社の技術を微調整し、酵素を用法を最適化し、あらゆる種類のPETを分解することに成功した。分解後は、石油由来のバージン素材と同等の品質であり、無限にリサイクルができる。
同社の技術は、非常に迅速に分解できることも特徴。わずか16時間でプラスチックの97%を分解できる。従来の焼却及び埋立の廃棄ミックス手法と比べても、二酸化炭素排出量を30%削減できる。従来と熱分解型のケミカルリサイクルと比べ、高温環境を必要としないことも大きな特徴。
同社は2025年までに4万t規模の実証プラントの建設を計画中。さらに特許取得済みの同社技術を世界中のペットボトル生産企業にライセンス供与する事業も展開しようとしている。
【参照ページ】Global Consumer Brands Unveil World’s First Enzymatically Recycled Bottles
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