金融機関の生物多様性インパクト測定ガイダンス策定のPartnership for Biodiversity Accounting Financials(PBAF)は6月25日、同日までに新たに19機関がPBAFに加盟したと発表した。当初はオランダの金融大手が集う機関だったが、一気に国際性を帯びてきた。
【参考】【国際】金融大手26社、生物多様性のインパクト測定で協定発足。測定手法策定の動きも加速(2020年9月26日)
PBAFは、オランダ金融大手ASNバンクの呼びかけで、Robeco、トリオドス銀行、オランダ開発金融公社(FMO)、ACTIAM、Triple Jumpとともに2019年末に共同発足。2020年9月には、金融事業での生物多様性インパクトを測定するためのガイダンスを発表している。
PBAFは、同様に金融機関での気候変動インパクトを測定するためにオランダ金融大手が発足したPartnership for Carbon Accounting Financials(PCAF)の生物多様性版として設立された。
そこでASNバンクは、仏サステナビリティコンサルティングPRé ConsultantsとCREMと協働し、「金融機関のための生物多様性フットプリント(BFFI)」モデルを開発し、投融資での生物多様性インパクト測定の概念構築で先鞭をつけた。BFFIでは、ライフサイクルアセスメントのインパクト・アセスメント(LCIA)手法として欧州で開発されたReCiPeモデルと、欧州のデータベースExiobaseを活用し手法を考案し、PBAFでもそれが支持される形となった。
PBAFに2月に加盟した機関は、BNPパリバ、ABNアムロ、ラボバンク、ピレウス・フィナンシャル・グループ、ファーストランド・グループ、APG、Achmea Investment Management、NN Investment Partners、UFF African Agri Investments等。また6月には、フランス開発銀行(AFD)、PGGM、Sycomore Asset Management、Pymwymicの4社も加盟した。これで全体の加盟機関数は6ヶ国から25となった。運用資産の総額は6.2兆米ドル(約680兆円)。
PBAF加盟25機関のうち、欧州勢が24で、アフリカがファーストランド・グループの1。日本に金融機関は未だ加盟していない。PBAFは現在、3つのワーキンググープを運営。「農業」「運用会社」「ポジティブ・インパクト」の3テーマを深堀りしている。
【参照ページ】The Partnership for Biodiversity Accounting Financials (PBAF) welcomes fifteen new financial institutions
【参照ページ】AFD, Pymwymic, Sycomore Asset Management and PGGM join The Partnership for Biodiversity Accounting Financials (PBAF)
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