デンマーク電力大手オーステッドと国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)は6月4日、気温上昇を1.5℃未満に抑えるため、エネルギー分野の脱炭素化を加速する規制や政策の施行等、官民連携の必要性を訴えたワーキングペーパーを共同発表した。11月に開催される第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)に先立ち、2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成に重要な政策を示した。
両者は、太陽光発電・風力発電コストが低下や投資家によるグリーン投資等、需要家の再生可能エネルギー移行への備えが整ってきている一方、政府の適切な政策と財務の枠組みが未整備だと指摘。気温上昇を1.5℃未満に抑えるには、世界の二酸化炭素排出量の70%以上を占めるエネルギー分野で、2030年までに再生可能エネルギーの設備容量を現在の6倍まで増加させ、2050年までにエネルギーの脱炭素化を実現する必要があると分析した。
また同ペーパーでは、電力セクターの脱炭素化における課題として「民間投資に対する適切な支援がない市場構造」「再生可能エネルギー発電所の立地に対する公的援助の欠如」「不十分な送配電インフラ」を指摘。政府に対しては、再生可能エネルギーへの投資を促すクリーンエネルギー政策、先進的な電力インフラへの投資、計画と承認プロセスの改善等に優先的に対応すべきと強調した。
【参照ページ】World Resources Institute and Ørsted: How governments can scale up private sector investment in the renewable energy transition
【画像】Orsted
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