大和ハウス工業は6月16日、同社の環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」に基づき、2030年までに建設する建物での調達木材に伴う森林破壊をゼロにすると宣言。他の材料調達でも森林破壊ゼロを2055年までに達成する目標も発表した。同時にサプライチェーンの人権でもアクションレベルを高める。
同社は今回、背景について、「世界の森林は、毎年、東京都の約45倍の面積となる約1,000万haが減少しており、1990年から2020年までで約4億2,000万haが消失した」と説明。それにより、気候変動、生物多様性の喪失、先住民族の生活への影響があると指摘した。そのため、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)の加盟企業として、サプライチェーン全体で木材調達における森林破壊ゼロ方針を策定したという。
同社は、2010年10月から、森林破壊ゼロに向けた木材調達の動きを開始しており、2011年1月からは毎年1回サプライヤーに対し、木材調達調査を実施。独自の基準でS・A・B・Cの4段階で評価し、2015年度には最高のSランクの木材比率が87%、2019年度には約94%にまで向上していた。ランク付けは、森林管理の国際認証であるFSC、PEFC、SGECの取得や、合法性及びサステナビリティ等の基準等で判断される。
同社は今回、具体的に4つの方針を策定した。まず、サプライヤーに2030年までに森林破壊ゼロの方針策定を要請。その上で、森林破壊ゼロの方針を策定しないサプライヤーからの木材調達を原則禁止する。
2つ目は、サプライヤーに2030年までに労働や人権に関する方針策定を要請。同様に、人権問題に関する方針を策定しないサプライヤーからの木材調達を原則禁止する。
3つ目は、トレーサビリティが確保された木材のみを調達。
4つ目は、これまで木材調達調査の対象としてきた構造材や下地面材、桟木、フロア材に加え、型枠合板パネルや主要設備、建具、クロスも追加。
【参照ページ】森林破壊ゼロの達成に向けた木材調達の方針を策定
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