英ロンドン・ヒースロー空港は6月3日、空港内のジェット燃料供給で、ネステの持続可能なジェット燃料(SAF)の混合供給を期間限定で実証開始した。英空港で同様の措置をとったのは同空港が初。6月11日から13日まで英コーンウォールで開催されたG7サミットの前に間に合わせた。
同空港は、2030年までにSAF含有比率を10%以上、2050年までに50%以上にする目標を設定しており、英政府に対しても、同様の法定目標設定を要請している。今回の実証もそれに向けた布石。ジェット燃料供給のVitolAviationが、SAF供給のネステのSAF「Neste MY Sustainable Aviation Fuel」を混合する形で実証を行った。Neste MY Sustainable Aviation Fuelは、使用済み食用油や動物性および魚性脂肪廃棄物で100%のSAFを生産。業界分類ではHEFA(水素化処理エステルおよび脂肪酸)タイプと呼ばれる。石油由来のジェット燃料と比べて二酸化炭素排出量を80%削減できる。
今回の実証では、短距離飛行5回から10回程度の少量での運用。また数日間の期間限定での実施。但し、今回の実証を成功させることで、政府に対し実行が可能であることを企業が自ら証明し、政府に対し政策の加速を求めていくための重要ステップとして位置づけられていた。
ヒースロー空港は、これまで積極的に航空会社とのエンゲージメントを重ねてきた。結果、同空港を活用している航空会社のうち、便数割合で58%以上を占める航空会社は、2030年までに10%のSAF使用を目標として宣言済み。英政府の諮問機関である気候変動委員会(CCC)は2030年までのSAF含有率は楽観見通しでも7%としていたが、ヒースロー空港の便数の84%はすでに同目標をクリアできる見込みとなった。
【参照ページ】Sustainable aviation fuel to partly power Heathrow jets as airport moves to reduce emissions
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