米民営医療機関最大HCAヘルスケアは5月26日、医療機関のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる目的でグーグルの「グーグル・クラウド」事業部門との複数年のパートナーシップを締結した。HCAヘルスケア保有しているデータを活用し、新たな価値を創出しにいく。
HCAヘルスケアは、1968年に米テネシー州で創業した医療機関。1969年には11の病院を運営し、ニューヨーク証券取引所に上場。同年末には運営病院数は26にまで増加した。その後も病院の買収を続ける。1987年には一度、マネジメント・バイアウト(MBO)を実施し非上場企業になるが、1992年に再上場。さらに2006年には、プライベートエクイティ大手KKR及びベインキャピタル、メリルリンチ証券がファンドを活用して買収し、再び非上場企業になり、2010年に三度目の上場を果たした。現在の時価総額は約710億米ドル(約7.7兆円)。営利型の医療機関としては世界最大。
HCAヘルスケアは、患者数が年間のべ320万人、医師47,000人、看護師93,000人を抱え、膨大な医療関連のデータを保有している。今回、収集したデータからアルゴリズムを開発し、診療、介護、周産期ケア等の現場での判断をサポートする。これにより現場でのサービス品質、安全性、効率性を高める考え。今回、モバイル端末を活用したデータ収集やサービス展開を行う。
グーグル・クラウドは、「Google Cloud Healthcare API」や「BigQuery」等のサービスを展開しており、HCAヘルスケアとのパートナーシップでも投入する。個人情報やプライバシーを保護するため、取得したデータは、グーグル・クラウドのインフラ上で、専用のデータ階層を用意して保護する。
【参照ページ】HCA Healthcare Partners With Google Cloud to Accelerate Digital Transformation
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