自動車世界大手独メルセデス・ベンツは5月24日、二酸化炭素排出量を排出しない製法で生産された鉄鋼「グリーン・スチール」の調達拡大に向け、自動車業界で初めて、スウェーデン製鉄スタートアップ「H2 Green Steel(H2GS)」へ出資すると発表した。グリーン・スチールは、概念用語だが、一部関係者からは、安易に「グリーン・スチール」というブランドを掲げるべきではないという声もある。
【参考】【国際】ResponsibleSteel、低炭素だけでの「グリーン・スチール」標榜に警鐘。サステナビリティ全般を対象とすべき(2021年3月29日)
H2GSは、2020年に創業。水素還元方式と100%再生可能エネルギーによる電炉の活用で、2030年までに脱化石燃料由来の製鉄500万tの生産体制を目標としている。同社シリーズA出資には、メルセデス・ベンツの他、スカニア、キングスパン等が参加。筆頭株主は、リチウムイオンバッテリー開発Northvoltにも出資するVargas。
メルセデス・ベンツは、2039年までに車両でのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)達成が目標。今回のH2GSへの出資を通じ、オフセットではなく二酸化炭素排出絶対量の削減に注力する。
例えば、メルセデス・ベンツ・セダンでは、車体の50%が鉄製。製造に伴う二酸化炭素排出量の30%を占める。今回H2GSからの鉄鋼調達で、従来の高炉と比べ鉄鋼1t調達当たりの二酸化炭素排出量を2t以上削減できる見込み。
メルセデス・ベンツは、鉄鋼業界のサステナビリティ・イニシアチブRensponsibleSteelにも加盟。鉄のサステナビリティ基準や認証の開発を進め、責任ある鉄サプライチェーンの構築にコミットしている。
【参照ページ】Mercedes-Benz to use green steel in vehicles in 2025, reducing its carbon footprint
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