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【日本】日揮、2040年長期ビジョン。小型モジュール炉、洋上風力、ケミカルリサイクル等を強調

 日揮ホールディングスは5月12日、長期経営ビジョン「2040年ビジョン」と2025年までの中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2025」を発表した。ビジネス領域として「エネルギートランジション」「ヘルスケア・ライフサイエンス」「高機能材」「循環経済(サーキュラーエコノミー)」「産業・都市インフラ」の5つを掲げた。石油・ガス中心の事業構造から脱却する。また、EPC(設計・調達・建設)が全体78%を占める状況を2040年には60%にまで減らし、多角化を図る。

 5領域の中でも2040年の事業構成の6割を占めるのが、エネルギートランジション。この分野では、主力の石油・ガス領域では、ブルー水素、燃料アンモニア、炭素回収・貯留(CCS)、省エネ技術を掲げた。一方、再生可能エネルギー分野では、洋上風力発電の設計・据付、グリーン水素のプラントを挙げた。

 さらに、原子力発電では、小型モジュール炉(SMR)を打ち出した。日揮はこれまで、原子力発電の建設実績はなく、放射性廃棄物や再処理施設のEPCのみを国内で手掛けてきた。しかし4月、SMRの開発を行っている米ニュースケール・パワーに4,000万米ドル(約43億円)を出資し、ニュースケール社の最初のSMRプラント建設プロジェクトに参画する計画を発表。中長期的には海外市場も狙うことを表明してした。ニュースケール・パワーの技術は、すでに2020年8月に米国初の設計認証を取得し、米国原子力規制委員会によりその安全面も認可。商業化に最も近い企業と言われている。

 同社にとて新たな事業分野となる「サーキュラーエコノミー」では、2040年に事業構成の1割を目指す。具体的には、ケミカルリサイクル・プラントを柱に据えた。同社は4月、帝人、伊藤忠商事との3社共同協議書を締結。帝人が持つポリエステル繊維のケミカルリサイクル技術を用いた大規模プラントで、グローバル展開していく計画も発表している。

 同社は2025年までの戦略投資を2,000億円と発表。内訳は、EPC事業の深化が700億円、高機能材製造事業の拡大が300億円。そして、2040年ビジョンで掲げた分野が800億円。

【参照ページ】5つのビジネス領域でPlanetary healthの向上に貢献する企業グループ
【参照ページ】小型モジュール原子炉(SMR)のEPC事業へ進出 -米国ニュースケール社へ出資-
【参照ページ】ポリエステルのケミカルリサイクル技術に関するライセンスに向けた3社共同協議書の締結について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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