英NGOクリスチャン・エイドは5月10日、気候変動が世界の主要な茶葉産地に与える影響を分析したレポートを発表した。ケニア、インド、中国、スリランカという4大茶葉生産国の農園は今後、巨大な悪影響を受け、生産減リスクを抱えているという。
同レポートは、紅茶文化の英国の視点から書かれている。英国では1日で1億杯の紅茶が飲まれている紅茶大国。紅茶は、大英帝国時代に英国植民地でプランテーション栽培が始まり、特に降水量と気温が安定している高地で、日照が良い熱帯地方で良質の茶葉は育つ。現在、英国では、約半数の茶葉がケニアから輸入しており、他にはインド、マラウィの順。
同レポートによると、気候変動により、2050年までにケニアでの茶葉生産最適地のうち26.2%が茶葉が生産できなくなると予想されており、中規模の品質の生産地でも2050年までに面積が39%縮小する。
インドのアッサム地方では、プランテーション農園の88%、小規模農園の97%が、気候変動が茶葉生産の脅威になると回答。特に旱魃と豪雨が茶葉農園を襲うようになっているという。ダージリン茶葉の生産量は、1994年には1,129万tあったが、2018年には800万tから850万tにまで落ち込んでいる。中国やスリランカでも、降水量パターンの変化で大きな影響を受ける模様。
今回のレポートは、紅茶が生産できたとしても、味や風味の品質劣化の懸念が高まっているという。
【参照ページ】Climate threat brewing for British cuppa – new report
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