花王は5月19日、2050年カーボンネガティブ(二酸化炭素ネット排出量マイナス)を宣言した。カーボンネガティブは、カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)より高い目標。
同社は4月、購入電力の100%再生可能エネルギー移行目標の達成年の前倒しを発表しており、今回は二酸化炭素排出量全体の目標の改定を行った形。設定した目標は、2030年までにスコープ1とスコープ2で2017年比55%削減(従来目標は同22%減)、2040年までにカーボンゼロ(カーボンニュートラルと同義と考えられる)、2050年までにカーボンネガティブ。
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達成に向けては、同社はこれまで未加盟を貫いてきたRE100に、初めて加盟する考えを表明。使用電力を2030年までに100%再生可能エネルギーに転換する。花王が4月に発表していた目標は、「世界全体は2025年、日本は2023年」で、今回達成年度を2030年に遅らせたようにも見える。その背景には、従来、花王は、日本国内では「非化石証書」での再生可能エネルギー化を進めてきたが、RE100は、トラッキングなしの非化石証書を不適格としているため、RE100の要件を満たす再生可能エネルギーで2030年までに目指す計画に転換したとみられる。
【参考】【日本】花王、国内での再エネ比率が50%、グローバルでも31%に到達。RE100には未加盟(2020年4月17日)
一方、製品ライフサイクルでの二酸化炭素排出量は、2019年に設定した2030年までに2017年比22%削減を据え置いた。カーボンネガティブを達成するためには、二酸化炭素をカーボンリサイクルした原料の開発を進める。
【参考】【中国】ユニリーバとLanzaTech等3社、カーボンリサイクルで界面活性剤を生産。液体洗剤Omoで活用(2021年5月6日)
別途、削減貢献量として、花王の製品・サービスを利用することで社会全体で二酸化炭素排を削減する量として、2030年までに1000万tという目標も定めた。
【参照ページ】新たな「脱炭素」目標を策定
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