世界保健機関(WHO)は5月7日、中国国有製薬大手の中国国家医薬集団(シノファーム)傘下の中国生物技術(CNBG)が開発した新型コロナウイルス・ワクチンに緊急使用を承認した。非欧米企業が開発したワクチンに対する緊急使用は今回が初。
【参考】【中国】新型コロナワクチン開発3社、国際分配スキームCOVAXに加盟申請。国際協調アピール(2021年1月21日)
【参考】【国際】コロナ禍でワクチンナショナリズム発生。世界経済フォーラム、最も経済合理的なのは国際協調(2021年1月11日)
WHOによる緊急使用承認は、国際分配スキームCOVAXの前提となる手続き。今回の決定によりシノファームは、COVAXの対象となり、発展途上国に対する分配が始まる。すでにシノファームは、COVAXに適用申請している。また、各国政府では、WHOの緊急使用を国内基準に設定しているところも多い。
WHOの緊急使用承認は、テクニカル・アドバイザリー・グループ(TAG)と各国の規制当局専門家で構成する独立委員会で品質、安全性、有効性、リスクマンジメントや流通条件の観点から製品評価を行うもの。シノファームのワクチンに対しては、生産工場での現場チェックも実施された。
WHOによると、シノファームのワクチンは、不活性化ワクチンのタイプで、保管が用意。また今回初めて、ワクチンの熱反応による品質状態をモニタリングするワクチンバイアルモニターを搭載することも決まった。WHOの予防接種に関する戦略的諮問グループ(SAGE)もレビューを実施し、18歳以上の成人に3週間から4週間の間隔で2回接種を推奨。発症者や入院患者に対するワクチン有効性は、すべての年齢層を合わせて79%と推定した。
現在までにWHOが緊急使用を与えたワクチンは、他に、ファイザー/BioNTech製が2020年12月31日、アストラゼネカ/オックスフォード大学製が2021年2月15日、ジョンソン・エンド・ジョンソン子会社ヤンセンファーマ製が2021年3月17日に、モデルナ製が2021年4月30日で、今回のシノファーム製と合わせて5種。
【参照ページ】WHO lists additional COVID-19 vaccine for emergency use and issues interim policy recommendations
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら