消費財世界大手英ユニリーバ、米カーボンリサイクルLanzaTech、インド化学India Glycolsの3社は4月21日、化石燃料の代替として産業排出の二酸化炭素から界面活性剤を生産すると発表した。
同界面活性剤は、同社の主力液体洗剤ブランド「Omo(Persil)」のジェルボール製品に活用。販売価格は据え置きで、4月から中国で販売開始した。同社は2020年9月、洗剤・洗浄剤の生産で、化石燃料由来のバージンオイルを廃止し、2030年までに100%リサイクルされた再生オイルや植物由来オイルに切り替える戦略「Clean Future」を発表済み。今回のアクションはその一環。
【参考】【国際】ユニリーバ、2030年までに洗剤・洗浄剤生産で化石燃料由来のバージンオイル使用を全廃 (2020年9月4日)
同社の2020年調査では、中国の消費者の87%は新型コロナウイルスと同様に、気候変動に対する深刻な脅威を感じているという。同社は、カーボンリサイクルによる界面活性剤生産により、同国の2060年二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)目標の達成にも寄与する。
界面活性剤の生産プロセスでは、まずLanzaTechや中国鉄鋼大手の首鋼集団、三井物産等の合弁外車Beijing Shougang LanzaTechが、二酸化炭素を回収。同社中国工場で、産業からの二酸化炭素をエタノールに転換する。同プロセスでは、従来の化石燃料由来の製品と比べ、二酸化炭素排出量を82%削減できる。
その後、India Glycolsは、同エタノールを活用し、界面活性剤の原料となるエチレンオキシドをインドで生産。ユニリーバは、同エチレンオキシドによる界面活性剤を活用し、同社の中国・合肥工場で「Omo(Persil)」のジェルボールを生産する。
ユニリーバと独環境調査ノバ・インスティテュートの2021年4月の共同調査によると、化石燃料由来の化学製品需要は、2050年までに倍増する見込み。同社は、2050年までにカーボンリサイクルを15倍にまで拡大し、化石燃料利用を段階的に廃止する必要があると強調した。
【参照ページ】World-first laundry capsule in market made from industrial carbon emissions
【参照ページ】Unilever, LanzaTech and India Glycols Ltd launch world’s first laundry capsule in market made from industrial carbon emissions
【画像】Unilever
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