小売世界大手米ウォルマートは4月30日、新型コロナウイルス・パンデミックで深刻な影響を受けているインドに対し、インドでのワクチン接種支援や、200万米ドル(約2億円)の追加寄付を表明した。
インドでは現在、1日あたりの感染者数が世界最大の40万人を突破しており、1日の死者数も3,000万人台。特に「インド型」と呼ばれる変異株の感染力が強く、ワクチンも効きにくい状況。各地では医療崩壊が置きており、特に治療処置に必要な酸素までもが大幅な不足状態にある。
今回ウォルマートは、同社調達ネットワーク、インドEコマース子会社Flipkart、Flipkartの出資子会社PhonePe、ウォルマート財団を活用し、医療用酸素の確保を進めるとともに、インドでのワクチン接種の加速化、地域コミュニティ支援団体への寄付を発表した。
酸素の確保では、同社は、酸素生成設備を最大で20台、極低温の輸送用コンテナを20台、酸素濃縮器3,000個、酸素シリンダーを300個、世界全体で購入し、インドの病院やNGOに寄付する。またウォルマート財団は、米印ビジネス評議会と米印戦略的パートナーシップフォーラムの共同救援活動の一環として、2,500個の酸素濃縮器を追加で確保する。
加えて、ウォルマート財団は、インドでのワクチン接種支援NGOに200万米ドルを寄付。そのうち100万米ドルは同財団の災害対応基金を通じて、「Doctors for You」に、残りの100万米ドルは「GIVE Foundation Inc.」に寄付する。また、ウォルマート、Flipkart、PhonePeのインド各地の事業所に、従業員と家族、契約者、配送ギグワーカー等20万人以上に向けたワクチン接種会場を無償で設置。感染した場合には、傷病休暇を追加付与し、家族の疾病、ワクチン接種、検査に関しても介護休暇の付与で対応する。
さらにFlipkartは、GiveIndiaと連携し、新型コロナウイルス感染症センター、慈善病院、ムンバイ、デリー、バンガロールの医療従事者に、酸素、PPEキット、手指消毒剤、その他の必需品などの重要な医療用品を提供するために寄付。Flipkartの消費者に対しては、SuperCoins(ポイント)を使用し、GiveIndiaが緊急のニーズに対応するために動員する救急車サービスや酸素ボンベの補充に直接寄付できるようにもした。
ウォルマートはこれまでグループ全体で、医療用防具(PPE)およびCPEガウン100万個以上、N95マスク60万個、人工呼吸器88台等、インドで620万米ドル(約6.5億円)の寄付や現物支給を行ってきた。
【参照ページ】Walmart, Flipkart, PhonePe and the Walmart Foundation Leverage Global Resources to Scale Initiatives in Support of India’s Pandemic Battle
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