シンガポール海事港湾庁(MPA)は4月21日、海運の脱炭素化に向けた研究開発センター「海事脱炭素化センター」の設立に向け、パートナー企業と覚書を締結したと発表した。日本企業も参画した。
今回の覚書では、同センターの設立のため、参画企業は各1,000万シンガポールドル(約8.2億円)を寄付。MPAも6,000万シンガポールドル(約50億円)を拠出し、研究・技術開発や、高等教育機関等との連携を進める。参画企業は、シンガポール油田開発用リグ大手セムコープ・マリン(セムマリン)、シンガポール船舶管理イースタン・パシフィック・シッピング(EPS)、BHP、ノルウェーのBWグループ、ノルウェーのデット・ノルシュケ・ベリタスと、川崎汽船、商船三井、日本郵船の3社合弁による定期コンテナ船事業オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)の6社。そのため、総額12,000万シンガポールドル(約100億円)の規模となる。
またMPAは別途、シンガポール投資大手テマセクとの間でも、港湾運営の脱炭素化、低炭素・代替海運燃料の開発と使用、海運産業のサプライチェーンの脱炭素化に関連する協力で覚書を締結した。テマセクの投資先会社との連携も深める。
MPAによる海事脱炭素化センターの設立は、シンガポール海事財団(SMF)が2020年7月に設立した海事脱炭素化に関する国際諮問委員会(IAP)がシンガポール政府に提出した提言に基づくもの。IAPは30人の業界関係者や有識者で構成され、国際海事機関(IMO)が進めるカーボンニュートラル・ビジョンをリードするため、9つの提言を行っていた。
他の提言では、二酸化炭素排出量会計の指標策定、新技術やソリューションに関する規格の策定、グリーンファイナンス・メカニズムの構築、カーボンプライシング制度でのメカニズムの構築、研究開発に関する資金支援で世界をリード、グローバル規模を含めたステークホルダーとの協働等。
【参照ページ】MPA Inks Collaborations with Partners to Advance Decarbonisation Efforts in Maritime Industry
【参照ページ】Joint Release by MPA and SMF: International Advisory Panel on Maritime Decarbonisation unveils nine pathways to support decarbonisation in the maritime industry
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