三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は4月26日、2018年に策定した「MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク」を再度改定したと発表。石炭火力発電所へのファイナンス禁止の対象を新設だけでなく、既存発電設備の拡張にも適用することを決めた。但し例外規定も盛り込んだ。
これまでの同社ポリシーでは、石炭火力発電の新設へのファイナンスを原則禁止していたが、「当該国のエネルギー政策・事情等を踏まえ、OECD公的輸出信用アレンジメントなどの国際的ガイドラインを参照し、他の実行可能な代替技術等を個別に検討した上で、ファイナンスを取り組む場合があ」るとし、日本政府の石炭火力発電の海外輸出基準に合致すれば、ファイナンスできる道を残していた。
今回のポリシーでは、新設だけでなく既存の発電所の拡張もファイナンス禁止対象とした上で、「但し、パリ協定目標達成に必要な、炭素回収・利用・貯留(CCUS)、混焼等の技術を備えた石炭火力発電所は個別に検討する場合があ」るとの例外規定を設け、柔軟に運用できるようにした。混焼については、目下計画されているバイオマス、水素、アンモニアの混焼燃料の種類や混晶割合の基準を明確にしなかった。
これに対し、環境NGOからは、不十分との声明が相次いだ。気候ネットワークからは、「本改定は、いくつかの部門において対策強化が図られていますが、急を要する気候危機への対応として、なお不十分なものです。日本の金融機関を代表するMUFGには今後、パリ協定の1.5度目標達成に整合した、より野心的な石炭関連の方針を策定し、その他化石燃料や森林破壊を引き起こす産品に関する方針の強化を期待します」と主張。
350.org Japanは、「MUFGのセクター方針のスコープは基本的にプロジェクトファイナンスに限定されており、コーポレートファイナンスは含まれていないことは大きな懸念事項」と指摘している。
【参照ページ】「MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク」の改定について
【参照ページ】NGO共同声明:MUFGが石炭火力・森林セクター方針を改定、なおパリ協定と整合せず(2021/4/26)
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら