英ビジネス・エネルギー・産業戦略省は4月2日、革新的な技術開発を促進するため、企業主導の研究プロジェクト9件に対し、総額7,520万ポンド(約110億円)の助成金を拠出した。助成先の技術開発には、癌などの治療薬の費用対効果を改善する合成生物学や、自動車の運転に役立つセンサー技術、廃棄物からシャンプーなど生活用品をつくるテクノロジー等が含まれる。
今回の助成は、英政府のUKリサーチ・イノベーション(UKRI)の下部組織である工学・物理学研究会議(EPSRC)が提供している資金助成プログラム「Prosperity Partnerships」の一環で、EPSRCから2,290万ポンド、業界団体から現金等で3,830万ポンド、大学から1,140万ポンドの資金を集めて資金ファンドを創設。2017年以降、39件のプロジェクトに助成してきた。
今回の助成では、ユニリーバが、リバプール大学及びオックスフォード大学と共同開発している炭素回収技術等を活用して廃棄物からヘアケア用品や消費財用の持続可能な原料を開発するプロジェクトも対象となった。
また、Ultraleapはが、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)と提携して、仮想3Dオブジェクトやホログラムから、「感じる」「聞く」「見る」の体験ができる音響技術の開発も選ばれた。この技術では、VRトレーニングシミュレーター、自動車の新しいユーザーインターフェイス、デジタルサイネージ、インタラクティブキオスク糖ののインタラクティブな空中アプリケーションで実証。自動車運転席に空中インターフェースで、オーディオや電話等を操作できる技術も見込んでいるという。
他には、アストラゼネカが、M Squared、防衛科学技術研究所(DSTL)、サウサンプトン大学と共同開発している3D画像を用いた臨床試験技術や、EDFがブリストル大学、マンチェスター大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンと共同開発しているデジタルツイン技術を活用した原子力発電所糖の修復・メンテナンス、富士フイルムの子会社FUJIFILM Diosynth Biotechnologiesが、エジンバラ大学、マンチェスター市、ヨーク市と共同開発しているバイオ医薬品のための合成生物学研究等。ロイヤル・ダッチ・シェルやルーブリゾールの脱炭素化技術も選ばれた。
英政府は、研究開発への投資を、2027年までに経済活動全体の2.4%に引き上げるという英政府の公約に基づき、運営されている。
【参照ページ】Leading UK businesses and researchers in £75 million collaboration to create technologies of the future
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