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【国際】JPモルガン・チェース、2030年までにグリーン・地域・開発で270兆円投融資。開発金融機関も設立

 金融世界大手米JPモルガン・チェースは4月15日、2030年までに気候変動への対策と持続可能な開発に対し、2.5兆米ドル(約270兆円)以上の投融資を行うと発表した。同社は、2050年二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を目標として掲げており、今回のアクションもその一環。5月には、ESGレポートで進捗状況を開示予定。

 今回発表の10年間の投融資では、「グリーン」「開発金融」「コミュニティ開発」に注力。グリーンでは、再生可能エネルギーや低炭素経済への移行に1兆米ドル(約108兆円)の投融資を行う。同社は2016年から、グリーン・イニシアチブに約2,100億米ドル(約23兆円)を投じている。

 また同社は、投資銀行部門および商業銀行部門「Center for Carbon Transition」等を通じ、企業の長期的な便益やグリーン移行を支援する。商業銀行部門では、再生可能エネルギー、省エネ技術、サステナブルファイナンス、農業・食品テクノロジー産業を対象とした、グリーン経済専門チームも発足した。

 開発金融では、国連持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、発展途上国での生活水準の向上等の社会経済的な開発を支援。コミュニティ開発では、発展途上国での経済的インクルージョンのため、中小企業への投融資や、住宅ローン、アフォーダブル住宅(低価格住宅)、教育、ヘルスケアの提供等も行う。人種差別の是正には300億米ドル(約3.2兆円)を投じるという。

 同社は、2020年のアクションのインパクト報告も実施している。年間の持続可能な開発目標を達成し、グリーン移行に2,200億米ドル(約24兆円)以上の投融資を実現。燃料電池製造米ブルームエナジーへの2.3億米ドル(約250億円)の投資、ALLETE Clean Energyの同社最大の風力発電所建設を支援。その他にも、現地通貨トランシェでの2億米ドル(約215億円)規模のウズベキスタン国債発行を支援した。同国債の資金使途は、学校15校や病院、交通機関、電力インフラの設立、女性や子ども向けの社会福祉への助成等。

 さらに同社は、米マサチューセッツ州サウス・ボストンでの公営住宅建設プロジェクトに対し、2,470万米ドル(約27億円)の支援を実施。同公営住宅は、同地域の世帯収入の中央値に対し、60%以下の世帯に提供する。

 加えて同社は2020年、開発金融の伸長と、新興市場への追加投資のため、JPモルガン開発金融機関(DFI)を発足。今回発表の10年間の投融資では、DFIの強化も行う。

【参照ページ】JPMorgan Chase Targets More Than $2.5 Trillion over 10 Years to Advance Climate Action and Sustainable Development

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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