保険世界大手スイスのチューリッヒ保険は3月31日、気候変動アクションを強化したと発表。投資運用、事業運営、金融商品・サービスの総動員し、カーボンニュートラル型経済への転換を加速させると表明した。チューリッヒ保険は2019年に「Business Ambition for 1.5°C – Pledge」に保険会社として世界で初めて署名しており、今回もいち早くアクションレベルを引き上げた形。
【参考】【スイス】チューリッヒ保険、1.5℃目標コミットの国際誓約に署名。化石燃料ダイベストメントも強化(2019年7月1日)
まず投資運用では、すでに一般炭(石炭)、シェールオイル、オイルサンドからの売上が30%以上を占める企業の投資除外(ダイベストメント)を決定しており、同基準ですでに4.97億米ドル(約500億円)の有価証券を売却。さらにインパクト投資を通じて290万tの二酸化炭素排出量削減を実現してきた。今後は、2025年までに上場企業株式と社債からのカーボンフットプリントを運用資産残高原単位で25%削減し、不動産アセットクラスでは同30%削減する。二酸化炭素排出量の上位65%に入る企業に対しては、パリ協定と整合性のある気候変動目標を設定するようエンゲージメントを行う。またインパクト投資を通じ500万tの二酸化炭素排出量を削減しにいく。
事業運営では、同社は2018年に自社事業運営での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を実現。2025年までにさらに自社事業運営の二酸化炭素排出量を55%削減し、バリューチェーンでの排出量も50%減。2029年には自社事業で80%減、バリューチェーンで65%減とした。
金融商品・サービスでは、すでに一般炭(石炭)、シェールオイル、オイルサンドからの売上が30%以上を占める企業への保険引受を停止済み。実際に同基準で250社と協議を行い、結果として、5億米ドル(約550億円)の保険引受を拒否。今後もこれを続ける。
【参照ページ】Zurich forges ahead with climate goals to tackle growing risk to society
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