米リサイクル・バッテリー・スタートアップのバッテリー・リソーシーズは4月12日、シリーズBの資金調達で2,000万米ドル(約22億円)の出資を集めたと発表した。数多くのベンチャーキャピタルが出資募集に応じた。
同社は、2015年に米マサチューセッツ州で創業。廃リチウム電池(バッテリー)を解体、分解、リサイクルし、EVバッテリー水準のカソードアクティブ素材を安価に生産する技術を持つ。通常の電池のリサイクルよりも遥かに効率がよく、通常のニッケル・マンガン・コバルト(NMC)タイプのカソードアクティブ素材と比較しても、廃バッテリーからの金属回収で、コストを32%、二酸化炭素排出量を32%、エネルギー消費量を13%削減できる。金属回収率も97%を誇る。
今回出資に応じたのは、ジャガー・ランドローバーのインモーション・ベンチャーズ、TDKベンチャーズ、TRUMPFベンチャーズ、オルビア・ベンチャーズ、アト・ワン・ベンチャーズ、ドラル・エナジー・テック・ベンチャーズ等。今回の調達資金の使途は、量産ラインの建設で、これにより生産能力を1万tにまで引き上げることができるという。EV2万台に相当する。
同社は現在、黒鉛の回収プロセスも開発しており、実現すれば、カソードアクティブ素材だけでなく、アノードアクティブ素材も回収できるようになる。
EVバッテリーを巡っては、合従連衡の再編も進んできている。現代自動車とサムスンSDIは、2024年に発売するハイブリッド車用のバッテリーを共同開発することを決定。従来、現代自動車はLGエナジー・ソリューションのEVバッテリーを採用してきたが、今回初めてサムスンSDI製を採用する。両社は、全固体電池の開発に向け、「先端バッテリー研究所」の設立に向けても協議している模様。
一方、GMとLGエナジー・ソリューションの合弁企業アルティナム・セルズは4月16日、米国での第2工場を23億米ドル(約2,500億円)を投じ、米テネシー州に建設すると発表した。面積は26万m2で、すぐに着工し、2023年前半から運転開始予定。
アルティナム・セルズは現在、米国第1工場をオハイオ州で建設しており、両工場が完成すると設備能力は合計70GWh。EV100万台に相当する規模となる。
【参照ページ】Lithium-Ion Battery Recycling and Manufacturing Startup Raises $20 Million From Global Industry Leaders
【参照ページ】GM and LG Energy Solution Investing $2.3 Billion in 2nd Ultium Cells Manufacturing Plant in U.S.
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