食品世界大手米コカ・コーラ・カンパニーは3月23日、「世界水の日」の3月22日にあわせ、水の安全保障に関する2030年までの包括戦略を発表した。同戦略は、水リスクアセスメントの他、ボトラーやNGO、政府との協働で策定。地域毎の目標は2021年中に発表予定だという。
同社は、世界全体の水需要は、現在の供給量に対し40%以上も超過すると予測。特に、インド、メキシコ、米国の一部等では、深刻な事態に陥ると分析した。さらに世界には、水にアクセスできない人口が10億人おり、新型コロナウイルスや気候変動の影響下にあることも課題視。2015年から水スチュワードシップに注力し、2019年には水消費効率を2010年比で18%改善した。
同社ボトラー工場の3分の1は、水ストレスの高い地域にある。また水フットプリントの73%以上は、さとうきびやオレンジ、りんご等の農作物の栽培に活用しているという。同社は、科学的根拠に基づく戦略のもと、水リスクは喫緊の課題だと分析。2030年までの戦略では、100%リジェネラティブ水消費を掲げ、水消費効率改善を加速する。
同社は今回、過去10年間の経験に基づき、水リスクマネジメント、継続的な水消費効率の改善、廃水処理を重要課題とすることを継続。そのうえで、野心的な優先事項を設定した。その中には、水の希少性、品質、生態系、インフラ、ガバナンスの5つの観点で水系スコアカードを評価し、自然に基づくソリューションを(NbS)を展開することも盛り込んだ。水ストレスの高い地域では消費した水を100%以上水系に還元する「リジェネラティブ水消費」を実践する。
その他、脆弱な地域コミュニティに対しては、安全な飲料水と衛生設備のアクセス確保を継続。農業サプライヤーに対しては、持続可能な原料と土地を確保できるよう、エンゲージメントを強化する。
【参照ページ】Coca-Cola Unveils 2030 Water Security Strategy
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