化学世界大手独BASF、サウジアラビア基礎産業公社(SABIC)、英リンデの3社は3月24日、ナフサクラッカー(ナフサ分解装置)の熱を電動化するソリューションを共同実証するプロジェクトを発表した。すでに3社は、天然ガスを用いた工業熱ではなく、再生可能エネルギー電力で熱エネルギーを得る技術をコンセプトレベルで共同開発しており、二酸化炭素排出量を最大90%削減できるとみている。
ナフサクラッカーは、巨大な蒸留炉で、ナフサを、オレフィンや芳香族化合物等に分解する工業設備。通常は850℃の高温で蒸留を行っているが、その熱エネルギーを再生可能エネルギー電力で調達するという。BASFとSABICはナフサクラッカーの運転ノウハウを、リンデではナフサクラッカーの開発ノウハウを提供する。
同プロジェクトは、EUイノベーション・ファンドと、ドイツ政府の工業脱炭素化ファンドにも助成金を申請済み。実証工場は、BASFのルートウィヒスハーフェン工場を選定しており、2023年頃に着工する。
BASFとSABICは、ナフサを廃棄物を原料に行うケミカルリサイクル技術も完成済み。今回の再生可能エネルギー電力での熱エネルギー供給とケミカルリサイクルを組み合わせると、二酸化炭素排出量の極めて少ない再生プラスチックを大量生産できるようになる。
【参照ページ】BASF, SABIC and Linde join forces to realize the world’s first electrically heated steam cracker furnace
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