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【日本】東芝、取締役会側反対のガバナンス議案が株主の賛成対数で可決。株主アクティビズム

 東芝は3月18日、臨時株主総会を開催し、同社の筆頭株主でシンガポール投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが提案した議案「株式会社の業務及び財産の状況を調査する者の選任の件」を賛成多数で可決した。同社取締役会は議案に反対しており、取締役会が敗北した。エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは、旧村上ファンド関係者が設立したシンガポールの投資ファンド。

 今回の議案は、同社が2020年7月に開いた定時株主総会で、議決権行使結果に不自然な点が多いとし、独立調査を要求するもの。同株主総会では、三井住友信託銀行とみずほ信託銀行での議決権行使結果集計作業に不備が発覚しているが、東芝側は集計作業には関与していないことを強調していた。

【参考】【日本】三井住友信託とみずほ信託、議決権行使の先付処理で妥当性欠く慣行を謝罪。議案成否には影響なし(2020年9月29日)

 また同株主総会では、当時経済産業省参与だった水野弘道・元年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事が、米ハーバード大学の基金運用ファンドに私的な助言を行った結果、同ファンドが議決権を行使しなかったことが、干渉行為に該当するという意見もあり、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)等も議案に賛成した。議決権行使助言大手2社も賛成を推奨した。

 今回の可決を受け、今後、3人の弁護士が選任され、3ヶ月かけて調査を実施。6月の定時株主総会で結果を報告する。

 また、同株主総会では、米運用会社ファラロン・キャピタル・マネジメント系のチヌーク・ホールディングスが、同社の資本政策の変更の際には株主総会での承認を義務付けることを求める議案「定款一部変更の件」の投票も行われたが、3分の2の賛成が集まらず否決された。

 チヌーク・ホールディングスは、東芝が20年11月に改定した中期経営計画が株主還元に影響がでると主張していた。東芝は従来、小規模M&Aを通じて成長する戦略を路線としていたが、チヌークは新たな中期経営計画は路線変更していると指摘。取締役会側は、成長戦略を変えた事実はないなどと反対していた。

【参照ページ】臨時株主総会の決議結果に関するお知らせ

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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