三菱UFJ銀行は3月15日、国際金融公社(IFC)が2019年に策定したインパクト投資におけるグローバルな市場基準「インパクト投資の運用原則(Operating Principles for Impact Management)」に署名した。また3月16日には、海運業界向けファイナンスに関する気候変動原則「ポセイドン原則」にも署名した。
【参考】【国際】海運ファイナンスのポセイドン原則、署名金融機関が20に増加。3社はすでにIMO整合性実現(2020年12月22日)
インパクト投資の運用原則は、2019年4月の世銀・IMF合同開発委員会で正式にリリース。全部で9つの原則で構成されている。現在の署名機関には、ブラックロック、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、クレディ・スイス、UBS、ドイチェ・アセット・マネジメント(DES)、アムンディ、Mirova、Nuveen、ニューバーガー・バーマン、欧州復興開発銀行(EBRD)、欧州投資銀行(EIB)、IFCアセット・マネジメント等。国際開発金融機関と民間の金融機関が同じ土俵で署名している点が特徴。日本からは、国際協力機構(JICA)が2019年8月に署名し、今回の三菱UFJ銀行が2機関目となった。
構成されている9つの原則は、
- 戦略的なインパクト目標を、投資戦略に沿って定義すること
- 戦略的インパクトは、ポートフォリオ単位で管理すること
- インパクトの実現に対するマネジャーの貢献を明確にすること
- 各投資から予想されるインパクトを、一貫したアプローチに基づき評価すること
- 各投資がもたらしうる、潜在的なネガティブ・インパクトを評価、対処、モニタリングおよび管理すること
- 各投資のインパクト実現への進捗度を、予想に照らしてモニタリングし、それに応じ適切な対策を取ること
- インパクトの持続性への影響を考慮しながら、エグジットを実行すること
- 投資の意思決定とプロセスをレビューし、文書化し、さらに、実現したインパクトと得られた知見に基づいて、改善すること
- 本運用原則との整合状況を開示するとともに、整合状況について、独立した検証を定期的に実施すること
一方、ポセイドン原則が現在遵守基準としているものは、IMOが策定した「GHG戦略」で記されている内容。具体的には、2050年までに二酸化炭素排出量を2008年比で半減、原単位排出量を2030年までに同40%、2050年までに同70%削減。達成状況は毎年報告が義務付けられ、報告した内容はポセイドン原則の年次報告書の中で公表される。
ポセイドン原則に署名した日本の金融機関は、三井住友銀行、三井住友信託銀行、新生銀行、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)に続いて、三菱UFJ銀行が5社目となった。
【参照ページ】「インパクト投資の運用原則」への署名について
【参照ページ】ポセイドン原則(The Poseidon Principles)への署名について
【参照ページ】Operating Principles for Impact Management
【原則】インパクト投資の運用原則
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