米金融大手ウェルズ・ファーゴは3月8日、2050年までにスコープ3まで含めた二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を達成する目標を発表した。同社は、2019年にスコープ1、スコープ2のカーボンニュートラルは達成済み。今回、対象をスコープ3まで拡大し、二酸化炭素排出量の大きな投資先企業へのエンゲージメントも行う。
具体的には、二酸化炭素排出量の大きな投資先企業と協働し、同排出量の測定と開示、同排出削減量の中間目標の設定、削減に向けたアクションを実施。さらに気候変動対策イノベーションへの投資も拡大。2030年までに、持続可能な事業やプロジェクト、投資先の低炭素技術への移行等へ5,000億米ドル(約54兆円)を投じる。
投資先企業の二酸化炭素排出量の測定と開示は、2021年中にスコープ3の算出アプローチを開示。2022年までに石油・ガスと電力企業を中心に算出結果を開示。その後、信頼性の高いデータ環境が整い次第、すべての業種でもカーボンフットプリントを算出し開示する。
二酸化炭素排出量削減の中間目標は、同排出量の大きい企業を対象に、2022年末までに設定。同企業の開示が完了後、機を見て他のセクターにも拡大する。5,000億米ドル規模のサステナブルファイナンスでは、投資先の二酸化炭素排出量測定や、低炭素技術への移行、中・低所得層コミュニティの気候変動適応を支援する。また、投資先企業の意思決定プロセスやリスクマネジメント・フレームワークに、気候変動を組み入れるよう、働きかける。
また同社は2月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークに基づくレポートを発表。設備容量750MW以上の再生可能エネルギーでの電力購入契約(PPA)120本の締結等を通じ、事業活動での二酸化炭素ネット排出量ゼロを達成した。
再生可能エネルギー開発プロジェクトへのファイナンスも加速。2012年以降、1,570億米ドル(約17兆円)の投融資を行い、100億米ドル(約1兆円)規模のサステナブル・ボンドの主幹事も務めた。
【参照ページ】Wells Fargo Sets Goal to Achieve Net Zero Greenhouse Gas Emissions by 2050
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