国際エネルギー機関(IEA)は3月4日、日本を対象としたエネルギー政策の評価報告書を初めて発表。日本は2050年カーボンニュートラルを実現するためには、今すぐに迅速なエネルギー転換を開始すべきと現状を酷評した。IEAにはこれまで日本の官僚が事務局長を務めた実績があるほど経済産業省と密接な関係を築いてきたが、今回は手厳しい指摘を受けた。
今回発表された報告書「エネルギー政策レビュー 日本 2021」は、IEAが各国のエネルギー政策を定期的に総合的に評価する国別詳細審査(IDR)に基づき発行されたもの。日本は今回、初めてIDRの対象に指定された。
同報告書は、2050年カーボンニュートラルを実現するためには、急激な二酸化炭素排出量削減を迅速に開始する必要があると言及。低炭素技術の導入、規制障壁の撤廃、エネルギー市場の競争環境の向上がなければ、カーボンニュートラルは実現できないとの見方を示した。また、日本政府が2020年12月に発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を支持すると表明した。
【参考】【日本】政府、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」採択。ほぼ全業種でロードマップ提示(2020年12月25日)
同報告書は、日本の電力市場の状況について、レベルプレイングフィールドを真に達成する必要があると述べ、大手電力に有利な電力市場制度を改革する必要があると示唆。それにより、持続可能な電力の価格を下げていくことができるとした。また1月に発生した電力需給の逼迫を挙げ、広域連携を強化する必要があるとした。2030年までに低効率石炭火力発電を全廃するとした方針を歓迎した。
【参照ページ】Innovation and market reform needed to drive Japan’s clean energy transition, IEA policy review finds
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