投資運用世界大手米ブラックロックの市場調査機関ブラックロック・インベストメント・インスティテュート(BII)は2月25日、気候変動に伴うリスクと機会を加味した新たな資本市場予測(CMAs)を発表。二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)の実現は、今後20年間、25%の経済成長に繋がると分析した。
今回更新したCMAsでは、GDP等の「マクロ経済」、「投資家がESG投資を行いたいと考える価額」、「企業がグリーン移行に取り組む方法」の3つについて、コストと便益を分析。投資判断やポートフォリオ設計に活用する。
(出所)BlackRock
同社は、従来型の多くの経済予測には、再生可能エネルギー移行や政策の転換、グリーン・イニシアチブへの補助金の増加等、気候変動による潜在リスクや機会が加味されていないと指摘。両者を加味した場合、気候変動対策が、純コストになるという一般的な考えは誤りだと強調した。
また同社は、カーボンニュートラルに向けた移行は、すでに進行しており、数十年続くかは不確実性があるものの、数年間にわたり継続するアクションだと言及。引き続き同分野への資本のフローや政策動向、技術革新をモニタリングし、フレームワークを改善するという。
具体的な影響については、直近5年間、気候変動リスクエクスポージャーが比較的小さいテクノロジーやヘルスケア業界が成長し、少し遅れて電力・エネルギー業界へ波及すると分析。アセットクラスとしては、ハイイールド債や一部の新興国債に替わり、先進国株選好との見方を披露した。
同社は、2021年のサステナビリティレターで、長期リターンのため、気候変動を投資判断に組み入れると発表済み。カーボンニュートラルへの移行に大きく影響を受けない企業は無いとし、気候変動を加味したCMAsの重要性を強調した。
【参照ページ】BlackRock Investment Institute Sees Green Energy Transition Driving 25% Cumulative Gain in Output by 2040
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