米国でデンバー発ホノルル行きのユナイテッド航空328便で、機体のボーイング777型機が、離陸直後に右側エンジンに損傷が発生し、エンジン部品が地上に落下。デンバー国際空港に引き返し、乗員乗客239人は全員無事で、陸上でも死傷者は出なかったが、あわや大惨事の事態となった。使用されていたエンジンは、レイセオン傘下のプラット&ホイットニー製「PW4000-112」。
米国の国家運輸安全委員会(NTSB)はすぐに調査を開始。ユナイテッド航空も、同系列のエンジンを搭載した機体52機(運航中24機、大気中28機)を全て運航停止にした。日本の国土交通省も同日、同系列のエンジンを搭載している日本航空(JAL)の13機、全日本空輸(ANA)の19機に対し、運航停止を指示した。
国土交通省によると、2020年12月4日にも同系列のエンジンを搭載した羽田初那覇行きの日本航空便ボーイング777型機でも、エンジンが損傷した重大インシデントが発生しており、日本では日本航空と全日本空輸に対し、点検頻度を引き上げた点検強化を指示していたという。
同系列のエンジンを搭載した機体は、ユナイテッド航空、日本、韓国にしかなく、世界全体で運航中が69機、待機中が59機。大韓航空も運航中6機、待機中10機を、アシアナ航空も保有している9機全てを運航停止にした。
NTSBの調査によると、事故機では、エンジン部品のインレットとカウリングがエンジンから離脱していたことがわかった。また、ファンブレードが2本破損し、1本が根元近くで破損。他のファンブレードでも大きな損傷が見られたという。
【参照ページ】Investigative Update: United Airlines Flight 328 Boeing 777 Engine Incident
【参照ページ】Boeing Statement on United Airlines Flight 328
【参照ページ】ボーイング777型機(プラット&ホイットニー式PW4000系列型エンジンを搭載したもの)の運航停止指示について
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