米国際貿易委員会(ITC)は2月10日、電気自動車(EV)バッテリーを巡る、LG化学とSKイノベーションの係争に関し、SKイノベーションのEVバッテリーを米国内に輸入することを制限する最終決定を下した。LG化学側が2019年6月、SKイノベーションがLG化学の企業機密を不適切に入手したとして訴えていた。
ITCの決定では、SKイノベーション製のリチウム・バッテリーを米国内に輸入することを原則10年間禁止する。但し、すでに納品が決まっているフォードへの「EV F-150」向けのバッテリーや関連部品については今後4年間、またフォルクスワーゲンの北米市場向け「MEB」車種へのバッテリーや関連部品については今後2年間、輸入を許可するという例外措置を設けた。また、起亜自動車向けの既存製品の修理や交換用のバッテリーや製品についても輸入を許可する。
今回の係争では、SKイノベーション製のリチウム・バッテリーを採用すると決定したフォルクスワーゲンとフォードから、EVの上市が難しくなることや、米国内での雇用に悪影響を与えると窮状を訴えていた。例外措置の導入により、両者の訴えが認められた形。
SKイノベーションは、今回の決定に不服を表明。ITCの決定に関しては、米大統領による60日間のレビューを期間が設けられているため、バイデン大統領による決定破棄に望みをつなぐ考え。但し、バイデン大統領は破棄しないとみられている。
またLG化学によると、SKイノベーション側との間で別途和解に至れば、ITC決定を取り下げる用意があるという。
【参照ページ】Inv. No. 337-TA-1159
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