英ESG投資推進NGOのShareActionは2月10日、英小売最大手テスコに対し、売上に占める健康的な食品の割合を高める目標設定を行う株主提案を、機関投資家7団体と個人投資家101人と共同提出した。英国を代表する株式指数FTSE100の採用企業で同様の株主提案が提出されたのは今回が初。
今回の株主提案は、 同社の取締役会に対し、英保健省が定義する高脂肪・糖分・塩分(HESS)観点での食品健康的な食品が、同社の食品(アルコール飲料除く)に占める売上割合を開示することと、2030年までの同割合を著しく高めるための目標を策定するよう要求するもの。また2022年以降に、毎年進捗を報告することも要求している。
株主提案に加わった機関投資家は、Robeco Institutional Asset Management、JO Hambro Capital Management’s UK Dynamic Fund、メソジスト教会の中央財務理事会が運営するEpworth Investment Management、Jesuits in Britain、Guy’s and St Thomas’ Charity、The Marmot Charitable Trust、The 1970 Trustの7機関。キリスト教系の機関投資家が多い。
英小売大手ではすでに、セインズベリーやマークス&スペンサーが同様の目標を設定している。ShareActionは2020年6月に、年金基金NestやEQ Investorsと協働で、テスコにも目標設定を要請したが、今までのところ進展はなく、そのため今回、正式に株主提案として提出することを決めた。
英政府は、国内で販売されている食品の半数以上が、脂質、糖質、塩分が過剰との統計を発表しており、肥満の主要原因とみている。英国では国の医療予算のうち肥満が10%を占めるため、肥満対策を医療費削減とも位置づけている。また、新型コロナウイルス・パンデミックで、栄養問題はさらに重要性が高まったと判断した。
【参照ページ】Tesco faces shareholder challenge over its role in UK obesity crisis
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