石油ガス世界大手米エクソンモービルは2月1日、炭素回収・貯留(CCS)技術の新事業部門「ExxonMobil Low Carbon Solutions」を設立したと発表した。石油ガス大手に対する気候変動での批判が高まる中、エクソンモービルはCCSプラントを世界20ヶ所以上に建設し、「回収」で逃げ切る戦略を明確にした。2025年までに30億米ドル(約3,200億円)を投資する。
ExxonMobil Low Carbon Solutionsのヘッドには、同社の技術開発、製品マーケティング、オペレーション部門の幹部を歴任してきたジョー・ブロマールト氏が就任。同社取締役会は、ブロマールト氏を同社の副社長にも選任した。
同社は30年以上前からCCSの導入を進めており、現在、米国、オーストラリア、カタールで年間900万tの二酸化炭素排出量回収力を持つ。過去累計では1.2億tの二酸化炭素排出量を回収。世界のCCS設備の約20%の権益を保有し、回収量は世界のCCS全体での約40%を誇るという。また、ExxonMobil Low Carbon Solutionsは、CCSを活用したブルー水素の技術応用も検討するという。
今回エクソンモービルは、CCSプラントの候補地を示した。米メキシコ湾岸、米ワイオミング州、オランダ、ベルギー、英スコットランド、シンガポール、カタール等。
同社は今回、CCS技術開発に2000年以降に100億米ドル以上を投じており、米国、欧州、アジアの大学とも協働していることを強調。またCCS活用が追い風となるような政策ロビー活動を展開していくことも示唆した。
【参照ページ】ExxonMobil Low Carbon Solutions to commercialize emission-reduction technology
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