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【アメリカ】ターコイズ水素技術C-Zero、12億円の資金調達。三菱重工も。暫定的なつなぎ技術

 米カリフォルニア州のスタートアップC-Zeroは2月9日、1,150万米ドル(約12億円)の資金調達に成功したと発表した。C-Zeroは、二酸化炭素を排出せずに天然ガスから水素を抽出する技術開発を進めている。

 今回C-Zeroに出資ラウンドは、ビル・ゲイツ氏等のファンド「Breakthrough Energy Ventures」とイタリアEniグループの「Eni Next」が主導し、三菱重工業と英ベンチャーキャピタル「AP Ventures」も出資した。2020年3月には米エネルギー省の研究助成プログラム「ARPA-E」からも200万米ドル(約2億円)の助成金を得ている。

【参考】【国際】ビル・ゲイツら世界の資産家33名、10億ドルの再エネ分野ファンドを共同設立(2016年12月24日)

 C-Zeroは、メタンガスを固定炭素に熱分解できる特殊な熱触媒を持つ。この触媒は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のエリック・マクファーランド教授が開発した技術で、C-Zeroが商用可を進めている。通常の天然ガス改質での水素生成(グレー水素)では、酸素と化学反応するため、二酸化炭素排出量を大量に排出するが、C-Zeroの技術では酸素と反応しないため、二酸化炭素が出ない。そのため、C-Zeroのメタンの熱分解による水素製造はブルー水素とグリーン水素の中間の意味で「ターコイズ水素」と呼ばれている。

 ターコイズ水素は、グリーン水素やブルー水素と比べても、水素生産コストが非常に安価な点が特徴。しかし、C-Zeroの経営を任せれているザック・ジョーンズCEOは、ターコイズ水素を恒久的なソリューションではなく、グリーン水素やブルー水素に転換するまでの暫定的なつなぎの技術と見ているという。その背景は、天然ガスそのものが持続可能な資源ではないことと、副生物として生成される固定炭素が廃棄物や燃料として活用される可能性があるためという。C-Zeroは、天然ガスではなく、バイオガスを原料として活用することも視野に入れている。

 三菱重工業は、今回のC-ZERO社への出資により、同社の技術を活用した水素の製造・供給分野の可能性を検討するとともに、製造された水素を活用した発電システムや、水素を活用した産業の脱炭素化を進める。

【参照ページ】C-Zero Raises $11.5M Series A to Produce Clean Hydrogen from Natural Gas
【参照ページ】メタン熱分解で先進技術を持つ米国C-ZERO社に出資 革新的触媒技術により、メタン(CH4)からターコイズ水素(H2)を生成へ
【画像】C-Zero

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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