IT世界大手米マイクロソフトは2月3日、オーストラリア政府が導入を進めるグーグルとフェイスブックに対するニュース記事使用料義務化ルールについて、オーストラリア政府を支持する声明を発表した。ITプラットフォーマー側の市場交渉力を認識し、オーストラリア政府の新ルールは市場の不均衡を膳所するものとなると評価した。また法案の対象となっているグーグルも、記事使用料を支払った記事を提供するニュース・プラットフォーム「ニュース・ショーケース」を2月5日に開始した。
【参考】【オーストラリア】ニュース記事使用料義務化ルール法案、フェイスブックとグーグルの対立激化(2021年1月31日)
同法案の対象は、グーグルの検索結果とフェイスブックのニュースフィードに限定した上で、記事表示の対価を報道機関に支払うことを義務化するもの。これに対し、グーグルとフェイスブックは強く反発しており、グーグルは事業撤退にも言及し、オーストラリア政府に譲歩を迫っている。
今回の事案について、オーストラリアのスコット・モリソン首相は2月1日、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOと電話会談し、その後の声明で、オーストラリアでの検索市場シェア94%を誇るグーグルが検索サービスを停止しても、マイクロソフトの「Bing」が市場を代替することに自信を示した。これによりグーグルからの譲歩要求を撥ねつける態度をとったことになる。
マイクロソフトは2月3日の声明の中で、今回マイクロソフトは同ルールの対象外となっているが、仮に対象となった場合でもルールに従う意思を表明。その上で、グーグルの小規模事業者広告主が、Bing上にコストなしでスムーズに移行できるサービスを提供することや、競争力を高めるためにBing事業に追加投資すると発表した。
一方、2月5日に「ニュース・ショーケース」をオーストラリアで開始したグーグルは、ニュース提供サービスを別途立ち上げることで、検索サービスでの記事使用料義務化を回避する道を模索していると見られている。「ニュース・ショーケース」を提供している国は、ブラジル、ドイツに次いでオーストラリアで3カ国目。
グーグルは2月4日、グローバルでの「ニュース・ショーケース」提供のために、英国、ドイツ、フランス、ブラジル、アルゼンチン、カナダ、日本、オーストラリア等の十数カ国で、450以上の主要メディアとの使用料の合意に達していることを明らかにした。使用料の総額は10億米ドル(約1,050億円)。
【参照ページ】Google News Showcase launches in Australia
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