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【国際】GM、2035年までにハイブリッド車も禁止しEV・FCV化。StoreDotは5分充電バッテリー完成

 自動車世界大手米GMは1月28日、自社事業(スコープ1とスコープ2)と、スコープ3のうち販売製品使用での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を2040年までに実現するとの目標を発表した。その一環として、2035年までにハイブリッド車も含め、ガソリン・ディーゼル車の新車販売をやめる。

 同社の今回発表では、目標の達成に向け、電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCV)化への技術開発、再生可能エネルギーへの転換、カーボンオフセットの最少化の3つを掲げた。同時に、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、SBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)、We Mean Businessの3者が運営するイニシアチブ「Business Ambition for 1.5°C – Pledge」に署名し、2050年までに二酸化炭素ネット排出量ゼロへとするための科学的根拠に基づく削減目標(SBT)を設定することを約束した。

【参考】【国際】気候変動1.5℃コミットへの署名企業が177社に大幅増。日本企業は未だわずか3社のみ(2019年12月12日)

 EV・FCV化では、2020年11月、2025年頃までに世界全体でEVを30車種投入し、米国では2025年までに車種のEV比率を40%にまで引き上げると宣言。そして今回さらに、2035年までに全車種をEVやFCV等の「ゼロエミッション」タイプにすることを掲げた。2035年目標の設定では、環境NGOの環境防衛基金(EDF)と協働した。

 EVと自動運転に向けた投資額は、新型コロナウイルス・パンデミック前に発表していた200億米ドルから270億米ドルにまで積み上げる。その中には、同社の次世代バッテリー「Ultium(アルティアム)」への研究開発や新工場建設、ミシガン州やテネシー州の工場でのEV生産ライン構築等が含まれる。設備投資と製品開発チームの半分以上もEV・FCVと自動運転に注ぎ込むと宣言し、完全なEV・FCVシフトの姿勢を見せた。乗用車、SUVタイプ、CUVタイプ、トラック等の全カテゴリーでEV化を進めることも断言した。但し、燃費規制対応のための省エネ技術開発も行う。

【参考】【アメリカ】GM、2025年頃までに30車種をEV化。2.8兆円投資。次世代アルティアムも開発(2020年11月30日)

 再生可能エネルギーでは、米国内の事業所は2030年までに、世界全体では2035年までに100%再生可能エネルギーへ切り替える。また電力会社と協働し、同社の事業所の近くでは、電力購入契約(PPA)やグリーン電力プランを活用し、再生可能エネルギー電力を供給する。EV充電を加速させる。EV充電ステーションの増設では、EVgoと協働し、2025年までに新たに急速充電器2,700個以上を展開し、現状の3倍にまで拡大しつつ、全て再生可能エネルギー電力のみを供給する。

 また、サプライヤーに対しては、二酸化炭素排出量削減目標の設定、持続可能な原材料調達、透明性向上を要請。GMとしても、サプライヤー間でのナレッジ共有に協力していく。

 EVについては、ガソリン給油と比べて長い充電時間の問題も指摘されてきたが、それも解消しつつある。イスラエルで2012年に創業したEV超急速充電(XFC)バッテリースタートアップStoreDotは1月19日、EV充電が5分で完了するリチウムバッテリーの第1世代サンプルを1,000個生産したと発表。EV以外でも、ドローンや電子機器でも使用可能になるという。

 従来、超急速充電では、リチウムイオンが負極の黒鉛で膠着し金属化してしまう問題を抱えていたが、StoreDotの超急速バッテリーは、負極材で黒鉛の替わりにメタロイドナノ粒子を使用し、この問題を解決した。同社は、製造コストも自信を見せており、第1世代1,000個を生産した中国EVE Energyでは、既存のEVバッテリー生産ラインで製造を実現。国連勧告の電池輸送規格「UN38.3」にも準拠した。

 StoreDotに対しては、ダイムラー、BP、サムソン電子、TDK等が、合計1.3億米ドルを出資しており、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)から2020年のパイオニア企業としても選定されている。同社は2025年までに5分充電で100マイル(約160km)走行できる性能を目指している。

 EV充電ステーションでは、ロイヤル・ダッチ・シェルが1月25日、路上EV充電ステーションの欧州大手ubitricityの全株式を買収することで同社と合意。ubitricityはドイツ・ベルリンに本社があり、英国では充電器を2,700個展開し同国最大手で市場シェアは13%。フランスとドイツでは公共施設での充電器としても採用され、欧州大陸全域でも1,500個展開している。

 ロイヤル・ダッチ・シェルは、EV充電事業を急拡大しており、すでに同社のガソリンスタンド約430ヶ所に充電器を合計1,000個以上設置。世界全体では、同社のパートナー企業も含め世界全体で18.5万個の充電器を持つ。

【参照ページ】General Motors, the Largest U.S. Automaker, Plans to be Carbon Neutral by 2040
【参照ページ】First Ever ‘5-Minute Charge’ Li-ion Battery Samples
【参照ページ】Shell agrees to buy ubitricity, a leading provider of on-street charging for electric vehicles (EVs)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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