国際オリンピック委員会(IOC)理事会は1月24日、オリンピック大会運営を含む全ての事業での二酸化炭素排出量を2024年までにマイナスにする「気候ポジティブ」「カーボンネガティブ」を実現すると発表した。IOCは2020年3月に「気候ポジティブ」を2030年までに達成する目標を公表していたが、今回6年も前倒すことを決めた。
IOCは、カーボンオフセットを活用し、すでに2017年から二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)を達成済み。カーボンオフセットでは、2019年からダウを公式パートナーに選定し、ダウが創出したオフセット分もIOCが購入している。2016年から2019年までの4年間では、IOCの年平均排出量は5.3万t。
【参考】【国際】IOCとダウ、国際競技連盟と国内オリンピック委員会にカーボンオフセットを共同提供。CO2削減狙う(2019年8月29日)
オリンピック大会では、2021年に開催予定の東京2020大会ではすでに組織委員会がスコープ3まで含めた排出量を全てオフセットすることを決定済み。北京2022大会でも電気は全て再生可能エネルギーにするとともに、冬季五輪としては初めて最先端の低炭素型冷蔵装置を導入する。パリ2024年大会では、既存の施設や仮設施設を会場とし、会場建設での二酸化炭素排出量を95%削減する。
2020年に決定した「2030年気候ポジティブ」戦略では、すでに実施しているオフセットを活用したカーボンニュートラルだけでなく、ゼロカーボン型のソリューションを大会後も使い続けられるようにすることで、削減貢献量も含めた「カーボンネガティブ」を実現していくというもの。
一方、今回の発表では、IOC理事会は、アフリカのサヘル地域の森林破壊を防ぐ国連砂漠化対処条約(UNCCD)のイニシアチブ「グレート・グリーン・ウォール」を通じて、排出量以上のオフセットを実施することを決定。これにより、貢献量ではなく、オフセット分として2024年までに「カーボン・ネガティブ」が実現できることとなった。同イニシアチブへのオフセットは「オリンピック・フォレスト」プロジェクトを通じて行う。
【参考】【国際】国際オリンピック委員会、スポーツ運営向けサステナビリティ・ガイドライン発行(2020年9月19日)
【参照ページ】IOC TO BE CLIMATE POSITIVE IN 2024
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