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【国際】国際タスクフォースTSVCM、大規模な自発的炭素取引市場の創設を提言。マーク・カーニーが創設者

 自発的炭素市場拡大に関するタスクフォース(TSVCM)は1月27日、世界に巨大な自発的な二酸化炭素排出量取引市場の創設を提言し、具体的な20のアクションを提示したレポートを発表した。TSVCMは、元イングランド銀行総裁のマーク・カーニー国連気候アクション特使が主導し、9月2日に発足した大きな政治力のあるイニシアチブ。同レポートは同日、世界経済フォーラム主催の「ダボス・フォーラム」の場でも共有された。

【参考】【国際】自発的炭素市場拡大に関するタスクフォースTSVCM、方向性でパブコメ募集。日本企業メンバーはゼロ(2020年11月14日)

 TSVCMは、英スタンダードチャータードのグループCEOが委員長。国際金融協会(IIF)がスポンサーとなり、IIF会長も参画。元米証券取引委員会(SEC)委員で、法律事務所デービス・ポークのパートナーが実務をリードし、マッキンゼーが実務アドバイザーとして就任している。欧米、中国、インド等の企業がメンバー入りしているが、日本企業のメンバーはゼロ。

 同タスクフォースのメンバーは、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、BNPパリバ、UBS、マッコーリー・グループ、DBS、ブラックロック、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)、イタウ・ウニバンコ、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、ロンドン証券取引所(LSE)、XCHG、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)、ボーイング、イージージェット、エティハド航空、BP、ロイヤル・ダッチ・シェル、バンジ、マースク、RWE、ユニリーバ、ネスレ、シーメンス、マヒンドラ、タタ・スチール、トタル、テマセク・ホールディングス、セールスフォース・ドットコム、Geely(吉利汽車)、Elion(億利)等。ゴールドスタンダードやサウスポールもメンバー入りした。日本企業では、TCFDメンバーも務める三菱商事がメンバーではなく、諮問グループ・メンバーとして入っているのみ。

 同イニシアチブは今回、気候変動を1.5℃に抑えるためには、2030年までに二酸化炭素ネット排出量を半減、2050年までにゼロにしなければならないことを再確認し、二酸化炭素排出量取引市場を創設し、大規模に実効性を持つことで、各社の削減技術への投資は進み、最も効果的な削減策との見方を示した。 

 現在、二酸化炭素排出量取引制度は、EU、英国、スイス、中国、カナダ等で導入されているが、市場の対象が限られており、市場が展開されていない地域での削減効果や、大規模な投資の妨げになっている。そのため今回、自発的ながら大規模な市場創設を求めた。

 同レポートでは、再生可能エネルギー、自然を基盤としたソリューション、省エネプロジェクト等のすでに必要性が提唱されているトランジションは、非常に重要だが、化石燃料からの脱却を図るためには、削減への財務インセンティブをつけることも極めて重要とした。削減インセンティブをつけることで重要なトランジションに弾みが付くという考え方だ。これにより、世界中での発展途上国も含め経済発展が可能になるとした。

 同タスクフォースは、今回、世界経済フォーラムでの発表を実現。次のフェーズとしては、炭素市場創設に向けたステークホルダー・エンゲージメント、市場のガバナンス設計、市場の法的原則や契約手法、カーボン・クレジット単位の一体的統合の設計、「Core Carbon Principles(中核炭素原則)」の策定等を関係者に促していく。推奨実施事項として20のアクションを提示した。

 同タスクフォースは、これらをまとめ、11月に開催される第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)に提示する考え。TSVCM創設者のマーク・カーニー氏は、英ボリス・ジョンソン首相のCOP26アドバイザーも務めている。

【参照ページ】Taskforce Establishes Core Carbon Principles, Publishes Roadmap for Scaling Voluntary Carbon Markets
【参照ページ】Rapid Roll-out of Carbon Trading including Natural Climate Solutions Critical to Reaching Net Zero

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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