米電気自動車(EV)推進NGOのElectrification Coalitionは1月13日、自動車大手、EV充電器大手、ライドシェア大手等17社を結集したビジネス協議会「Electrification Coalition Business Council(ECBC)」を新設したと発表した。米国だけでなく、欧州、韓国からも加盟企業が出たが、日本企業からの加盟はゼロ。
ECBCは、産業界の声を結集し、米政府への政策アドボカシーを行うための組織。政府だけでなく、政策ロビー活動機関等にもアプローチし、米国内でEVが普及する政策を確立していくことを狙う。ECBCは発足母体のElectrification Coalitionと、提言作成で連携する。
加盟企業は、フォード、GM、起亜自動車、ボルボ・グループ、リビアン、Uber、Arrival、Fedex、EVgo等14社。米国ではバイデン政権となり、ガソリン・ディーゼル車から、EVや燃料電池車(FCV)へのシフトが一気に進むとみられている。ECBCは、産業界の声を集めることで、政策アドボカシーでの主導権を取りに行く。
米バイデン大統領は1月25日、連邦政府の全機関の公用車をEVに切り替える方針を発表し、バイデン政権のEV推進政策を大きく印象付けた。連邦政府の公用車2019年時点では全部で64.5万台あり、そのうち乗用車が22.4万台、トラックが41.2万台。但し、リース車両も多く、切替の詳細プランは今後検討する模様。EVのみで、FCVが対象外となるかはまだ不明。バイデン大統領は今回、EVを推進することで、米国内で100万人の雇用を創出すると表明した。
自動車大手のEVシフトも大きく進展している。独アウディは1月22日、2025年までにプラグイン・ハイブリッド(PHV)を含む電動化車種を30車種以上投入し、そのうち約25種はEVにすると発表。同社はすでに欧州でPHVを9車種投入しているが、EVへのシフトを加速。電動化全体で5年間で350億ユーロを投資する。
日産自動車も1月27日、2050年までにバリューチェーン全体でのカーボンニュートラルを実現すると発表。その一環として、2030年代早期に、主要市場に投入する新型車をすべて電動化車両とすることを目指すと宣言した。電動化車両にはEV、FCV、PHV、ハイブリッド車(HV)も含む。そのために、全固体電池を含むバッテリー技術の革新と、省エネ性能を更に高めた新たなe-POWERを開発するとした。
持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は1月25日、ライドシェア・サービスでもEV化が必要と発表している。UberやLyft等のライドシェア・サービスは、自動車移動の利便性が向上したことで、ガソリン・ディーゼル車の二酸化炭素排出量を増加してした。すでに、Lyftは、2030年までに同社サービスでの乗車自動車を100%電気自動車(EV)に切り替えると発表。Uberも、2030年までに米国、カナダ、欧州でUberプラットフォーム上の車両を全てEVに切り替え、2040年までに世界全体でEV化すると表明している。
【参考】【アメリカ】UCS、UberやLyftによる配車サービス利用増で二酸化炭素排出量が増加。対策必要(2020年3月5日)
【参考】【アメリカ】配車サービスLyft、2030年までに100%EVに切り替え。気候変動対策とコスト削減(2020年6月27日)
【参照ページ】ELECTRIFICATION COALITION BUSINESS COUNCIL
【参照ページ】Audi more than fulfilled the CO2 fleet targets for Europe in 2020
【参照ページ】日産自動車、2050年カーボンニュートラルの目標を設定
【参照ページ】Ride-hailing platforms will lead the global EV transition
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