国際サーキュラーエコノミー推進NGOのCircle Economyは1月18日、サーキュラーエコノミーの世界動向をまとめた年次報告書「サーキュラリティ・ギャップ報告書(Circularity Gap Report)」の2021年版を発表した。同NGOのCircularity Gap Reporting Initiative(CGRI)は2018年に、世界経済フォーラムの年次総会「ダボス会議」の場で、初の報告書を発表。以後、毎年、進捗状況を伝える年次報告書を発行し、今回が4回目。Circle Economyはオランダに本部がある。
同報告書の特徴は、二酸化炭素排出量という気候変動のテーマと、資源循環というサーキュラーエコノミーのテーマを統合して分析している点。2021年度版では、化石燃料、金属、鉄鉱石、バイオマスの4つの資源を消費している重量と二酸化炭素排出量と、資源の使途である交通・輸送、住宅、通信、医療・ヘルスケア、サービス、一般消費財、栄養の6つ社会インフラセクターでの廃棄の状況を紐付け、各セクター毎の二酸化炭素排出量と資源消費量の負荷を可視化した。これにより、廃棄物をなくすことによる資源効率と二酸化炭素排出量の状況がわかるようになっている。
(出所)Circularity Gap Report 2021で各セクターでの廃棄と二酸化炭素排出量の関連図
対策に向けては、「NARROW(資源インプット量の最少化)」「REGENERATE(自然再生)」「SLOW(製品寿命の長期化)」「CYCLE(循環)」の4つの観点から、6つの社会インフラセクター毎のサーキュラーエコノミー観点での課題ソリューションの方向性を示した。また、各ソリューションでの潜在的な温暖化抑制度(℃)も提示した。実現すると二酸化炭素排出量は39%削減、資源インプット量は28%削減できるという。
同報告書によると、パリ協定での各国政府の削減目標(NDC)ではサーキュラーエコノミーの観点が盛り込まれていないことが大多数という。そのため、NDCの中にサーキュラーエコノミーを採り入れるよう提言した。
【参照ページ】THE CIRCULARITY GAP REPORT 2021
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