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【フランス】ルノーとPlug Power、燃料電池商用車の開発・生産で合弁設立。ルノーの構造転換の一つ

 自動車世界大手仏ルノーと米水素燃料電池製造Plug Powerは1月12日、2021年末までにフランスで合弁会社を設立する覚書(MOU)を締結した。出資比率は両社50%ずつ。燃料電池(FC)商用車を共同開発し、欧州での市場シェア30%を目指す。2021年前半に競争法当局とルノーの監査役会(取締役会の監督機関)での承認を目指す。

 今回の合弁会社に対し、ルノーは水素活用の技術、商用車ブランドを提供。Plug Powerは、燃料電池および水素技術を提供する。両社は、競争力ある分野を融合し、燃料電池車と水素技術の研究開発、変革、製造、販売において、欧州の主要プレーヤーを目指す。

 両社は、ルノーが持つ既存および将来の設計プラットフォームを活用して燃料電池小型商用車を開発するイノベーションセンターを設立予定。燃料電池と車両開発の研究開発について、双方の技術者を同じチームに統合するユニークな体制に挑む。まずは、ルノーの大型バン「トラフィック」および「マスター」のFC化に注力する。

 また生産では、ルノーの車両生産能力と、Plug Powerの燃料電池および水素システム製造の専門性を結集。燃料電池から車両までの一貫生産工場をフランスに建設する。加えて、車両だけでなく、商用車向けの水素補給ステーション、水素燃料、カスタマーサービスの販売も担う。

 ルノーは1月14日、新たな経営戦略「ルノーリューション」を発表し、戦略車種を大幅に絞る方針も発表している。車種プラットフォームを現在の6つから3つにまで削減し、パワートレインも現在の8つから4に集約。車種プラットフォームでは、ルノー日産三菱アライアンスのプラットフォームをルノーの8割の車種に採用する。生産体制は2019年の年間400万台から2025年には310万台に縮小し合理化を図ること等が柱。

 ルノーリューションは、新型コロナウイルス・パンデミックで財務状況が厳しくなっていることを踏まえ、2023年までに財務の立て直しを行う「リサーレクション」、2025年までに販売車種の新型化による利益率向上を図る「リノベーション」、2025年以降にビジネスモデルを、テクノロジー・エネルギー・モビリティに転換する「レボリューション」の3段階で構成。経営目標から、市場シェアや売上を外し、利益率とキャッシュ創出力、投資効率に特化することを鮮明にした。

 最初のリサーレーションでは、コスト合理化を図りつつ、電気自動車(EV)やFC自動車では欧州の主導権を取りに行くとした。2025年までに投入する24車種でのうち、EVが10車種以上を占め、特に収益性の高い大型乗用車を重視する。市場としては、同社の事業が成功している中南米、インド、韓国に加え、スペイン、モロッコ、ルーマニア、トルコを強化。ロシアではシナジーを高める。フランス北部にはルノーグループ最大のEV生産工場も建設する予定。

 ルノーグループの中の「ルノー」ブランドとしては2025年までに14車種を投入し7種がEV。残りはハイブリッド車(プラグイン・ハイブリッド車のみはあ不明)。ブランドとしても「テック」「サービス」「クリーンエネルギー」の3つを柱とする。

 2025年以降の「レボリューション」では、同社は1月14日、新たなビジネスユニットとして「Mobilize」も発表。サービスビジネス志向型のEVを輸送や交通サービス用に提供しつつ、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを完全導入し、製品フットプリントをゼロに抑える戦略ビジネスを創造することを表明している。車両ではなく「サービスとしての製品(PaaS)」を追求し、車両販売台数も追わない。今回5つのプロトタイプも発表した。

【参照ページ】GROUPE RENAULT & PLUG POWER JOIN FORCES TO BECOME LEADER IN HYDROGEN LCV
【参照ページ】GROUPE RENAULT “RENAULUTION” STRATEGIC PLAN
【参照ページ】RENAULT’S “ NOUVELLE VAGUE ”
【参照ページ】MØBILIZE, THE NEW BRAND DEDICATED TO MOBILITY AND ENERGY SERVICES

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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