食品・消費財大手や小売大手が加盟する国際的な業界団体コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)は1月21日、パーム油の生産とサプライチェーンに関連している環境課題と社会課題への確たるコミットメントを発表した。背景には、AP通信が2020年11月、インドネシアのパーム油農場で、女性へのレイプや虐待が今も起きており、パーム油生産大国のインドネシアとマレーシアでは「インビジブル・ウーマン」という形で、表面化しない女性への人権侵害に対する批判の記事を書いたことが背景にある。
CGFの今回の声明は、同団体のForest Positive Coalitionと、Human Rights Coalition — Working to End Forced Labourの2つの内部委員会がまとめたもの。Forest Positive Coalitionは、カルフールとマースが共同スポンサー、モンデリーズ・インターナショナルとカルフールが共同議長。Human Rights Coalition — Working to End Forced Labourは、ダノン、マークス&スペンサー、メトロが共同スポンサーと共同議長を務めている。
CGFは、AP通信の報道や取材を行ったジャーナリストや調査団体を称賛し、詳細な調査に謝意を表明。またCGFの加盟機関にとって報道された虐待は、強制労働を中心として、以前からCGFの中で問題して強く認識され、対策を講じてきているものであり、暗部に関する情報を顕在化させることは有益との考えを示した。
その上で、CGFの両委員会は、加盟企業が環境破壊と人権侵害を防止するためにロードマップを策定していることを伝えるとともに、政府、企業、サプライヤー、NGOのパートナーシップを通じて、人権問題解決に向け協働するシステミック型アプローチの必要性を提唱。人権デューデリジェンス(HRD)を展開することで状況の改善に立ち向かう意思を示した。両委員会としても2021年前半に新たなパーム油ロードマップを策定する。
CGFは、CGF、NGO、政府の間での協力関係の深化が、長期的な課題解決にとって不可欠であり、政府、NGO、サプライチェーン関係者の全ての関係者に対し、CGFが実行する人権侵害撲滅ロードマップに協力を呼びかけた。
【参照ページ】CGF Joint Statement on Human Rights in the Palm Oil Sector
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