国連責任投資原則(PRI)は1月13日、インフラ投資での人権尊重強化を求めるメッセージを発表した。PRIは2020年10月に、署名機関に国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)対応を要求していくと明言。今回は見落とされがちなインフラ投資でのポイントを伝えた。
PRIは今回、インフラ投資においても、労働安全衛生、労働権、ステークホルダー・エンゲージメントは、交渉の余地がないほど重要と位置づけた。実際にインフラ投資の多くは、PRIへの年次報告の中で、それらの重視を謳っているという。
しかし昨今、人権に関する事態は複雑化しており、社会課題に対する対応がSNSので拡散され取引先や投資家からのレピュテーションを落としたり、英国現代奴隷法やEU人権デューデリジェンス・ルール等のでの法的リスクを負う可能性も増加。さらには、カーボンニュートラルに向けた事業転換では、ジャスト・トランジションの概念が重視されてきており、これらは全てインフラ投資家にとってマネジメントが必要なリスクになると見立てた。
またインフラ投資で人権課題を抱えるところは、新興国だけでなく、米国やカナダでもパイプライン建設プロジェクトで人権問題を抱え、先住民族の権利に関しても、米国、カナダ、オーストラリアで問題になっていることを伝えた。
またモニタリング対象でも、投資先自身の労働慣行だけでなく、インフラプロジェクトの下請業者等での労働慣行が問題を抱えているケースもあり、サプライチェーン全体での人権をチェックしていく必要があることにも言及した。再生可能エネルギーでの設備原材料での人権侵害にも触れた。
実践としては、人権への対策は簡単ではないため、今後PRIとして作業を進め、インフラ投資家向けのガイダンスを作っていく考えも示した。政府等のステークホルダーとの連携や、マイノリティー出資の場合の実施内容等について指針を示していくという。
【参照ページ】The case for infrastructure investors to go further on human rights
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