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【中国】中国銀行、ICMAトランジションボンド原則準拠の債券を世界初発行。CBIからは疑義

 中国銀行は1月6日、国際資本市場協会(ICMA)のトランジションボンド原則「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」に準拠したことを明言した世界初のトランジションボンドを発行した。しかし、関係者からは準拠性に疑問の声も上がっている。

【参考】【国際】ICMA、気候変動移行を資金使途のESG債に追加要件設定。発行体全体の戦略や目標等(2020年12月11日)

 同トランジションボンドは、同社の香港法人を通じて発行。発行額は年限3年で5億米ドル、年限2年で18億人民元で、合計約800億円。信用格付はムーディーズがA1、S&PがA1。金利は米ドル建てが0.875%で、イールドが0.933%。人民元建ては金利は同等で、イールドは2.8%。

 今回の債券の資金使途は、EUタクソノミーとの整合性のある気候変動緩和プロジェクトのみを「トランジション」対象として定義し、当該プロジェクトへのファイナンス及びリファイナンスの資金に充当する。EUタクソノミーの「Avoidance of Carbon Lock-in」と「Do No Significant Harm(DNSH)」原則も遵守するという。EYの中国法人が、「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」とEUタクソノミーとの整合性があることについての証明書を発行した。

 債券を購入した投資家層は、米ドル建ては、銀行48%、中央銀行・公的機関31%、運用会社・保険会社等21%。地域別はアジア64%、欧州・中東・アフリカ36%。発行額の3.5倍の注目が入った。

 人民元建ては、銀行ALM47%、運用会社36%、プライベートバンク14%、ヘッジファンド等3%。地域別はアジア94%。欧州6%。発行額の5.4倍の注文が入った。

 グローバル・コーディネーターは、米ドル建てが、中国銀行、BNPパリバ、クレディ・アグリコルCIB、HSBCで、バンク・オブ・アメリカ、中金公司、シティグループ、中国工商銀行(ICBC)、みずほ証券がブックランナーに加わった。人民元建ては、グローバル・コーディネーターが、HSBC、中国銀行、クレディ・アグリコルCIB、BNPパリバで、中国農業銀行、中国民生銀行、中国信託商業銀行(CTBC)、DBS、スタンダードチャータードがブックランナーに加わった。

 今回のトランジションボンドに対しては、気候債券イニシアチブ(CBI)のシーン・キドニー代表から、トランジションボンド原則との整合性について疑義が入っている。具体的には、ガスを資金使途に加えたことが、1.5℃目標との整合性を欠いており、同原則に準拠していないとコメントした。

【参照ページ】Bank of China Plans to Announce its First Transition Bonds Transaction in Offshore Market

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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