Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【ドイツ】シーメンス、洋上風力・水電解一体型グリーン水素設備に150億円投資。リンデは世界最大PEM型装置

 総合電機世界大手独シーメンスは1月13日、風力発電設備子会社シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジー(SGRE)と、エネルギー設備子会社シーメンス・エナジーが連携して5年間で1.2億ユーロ(約150億円)を投資し、スタンドアローン型の洋上風力発電活用グリーン水素生産設備を開発するプロジェクトを発表した。今後、再生可能エネルギー発電を活用した水電解での生産するグリーン水素の需要が急増することを見据え、技術力をリードする。

 従来から構想されているグリーン水素生産では、再生可能エネルギー発電所から電気を水電解設備のある工場に送電し、そこで水素を生産するというもの。しかしシーメンスが今回掲げた新たな計画では、洋上風力発電機そのものに水電解装置を取り付け、海水を汲み上げてその場で水素生産を実施。生成した水素を運ぶというもの。

 今回の新設備の開発に向け、シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジーは8,000万ユーロを投じ、最大設備容量15MWの洋上風力発電機「SG14-222 DD」を改造し、水電解装置を取り付けられるようにする。また、シーメンス・エナジーは、4,000万ユーロを投じ、専用の水電解装置を開発する。発電から水電解までの工程を一体的に行うことで、高性能・高効率・低コストなグリーン水素生産を実現するという。

 今回のプロジェクトは、ドイツ連邦教育・研究省が、2020年6月に掲げた「水素ドイツ」構想の一環として実施している国家イニシアチブ「H2Mare」からも支援を受ける。H2Mareイニシアチブそのものも、シーメンス・エナジーが主導的役割を果たしている。

 また、シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジー、オーステッド、ITMパワー、エレメント・エネジーの4社で構成するコンソーシアムも1月8日、洋上で風力発電から水電解までを一貫して行う「オイスター・プロジェクト」が、EU欧州委員会の「Fuel Cells and Hydrogen Joint Undertaking(FCH JU)」から助成金500万ユーロ(約6.3億円)も獲得したことを発表した。

 オイスター・プロジェクトは、エレメント・エナジーが調整役を務め、オーステッドが洋上風力発電の知見を、ITMパワーが電解槽設計、SGREが洋上風力発電設備の知見を提供。天然ガス並みの低コストなグリーン水素生産を確立することをミッションとしている。同プロジェクトは2021年に開始し、2024年に完了予定。 

 化学世界大手英リンデも1月13日、ドイツのロイナ石油化学コンビナートで、世界最大のイオン交換膜(PEM)型電解を活用したグリーン水素生産工場を建設、運営する計画を発表している。電解設備容量は24MW。生産した水素は、リンデの水素供給ネットワークに乗せ、主に燃料電池(FC)バスへの水素供給を念頭に置いている。建設はITMパワーとリンデの合弁会社ITM Linde Electrolysisが担当。2022年第2四半期に生産を開始する予定。

【参照ページ】Siemens Gamesa and Siemens Energy to unlock a new era of offshore green hydrogen production
【参照ページ】Consortium receives funding to investigate offshore hydrogen production
【参照ページ】Linde to Build, Own and Operate World’s Largest PEM Electrolyzer for Green Hydrogen

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。