エネルギー世界大手イタリアのエネルは1月4日、傘下のチリ電力大手エネル・ジェネレーション・チリが、チリ・コロネルの石炭火力発電所「ボカミナ」1号機を閉鎖したと発表した。同社は、チリ・エネルギー省が2019年に発表した国家脱炭素計画に合わせ、1号機は2023年までに、2号機は2040年までに閉鎖することをチリ政府と約束していたが、閉鎖を3年も自主的に前倒しした。2号機の閉鎖も2022年5月に大幅に前倒しする。
【参考】【チリ】電力最大手、2022年までに同国での石炭火力全廃発表。再エネシフト鮮明に(2020年6月5日)
エネルは2019年12月、同国の石炭火力発電所「タラパカ発電所」の閉鎖も発表済み。同社は11月24日、2030年までの投資計画を発表しており、その中で脱炭素化の加速とエネルギーの電化を大々的に掲げている。削減目標でもすでに、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)から承認を得ている。
【参考】【チリ】電力最大手、石炭火力発電所を1ヶ所閉鎖。新興国でも進む脱炭素政策。再エネを推進(2020年1月6日)
【参考】【イタリア】エネル、2030年までに脱炭素化に向け20兆円投資。再エネ、EV充電、DXに注力(2020年11月25日)
一方、エネルは、再生可能エネルギー発電所の建設プロジェクトを複数発表している。同社傘下の再生可能エネルギー大手エネル・グリーン・パワー(EGP)は1月4日、イタリア・モリーゼ州での集合型風力発電所「カステルマウロ」の建設を開始した。設備容量は4.2MW基が7基で合計29.4MW。2021年末までの稼働を目指す。
カステルマウロは、2020年8月に同国シチリアで建設を開始した集合型風力発電所「パルタンナ」に続く、政府系住宅金融機関(GSE)の入札を受けた同社2ヵ所目の集合型風力発電所。年間発電量は70GWhで、2.9万世帯へ電力を供給・二酸化炭素排出量3.6万tの削減に寄与するという。
また、エネル傘下の再生可能エネルギー米エネル・グリーンパワー・ノースアメリカは12月21日、同社グループ最大規模の再生可能エネルギー発電所の米国カンザス州クラークに位置するシマロンベンド風力発電所では、199MWの拡張工事が完了し、運転を開始したことも発表している。拡張の投資額は2.8億米ドル(約292億円)で、拡張後の設備総容量は599MW、年間発電量は2.7TWh。すでに、ミズーリ州カンザスシティの電力大手Evergyが設備容量のうち150MW分を、Missouri Joint Municipal Electric Utility Commission(MJMEUC)が30MW分の電力購入契約(PPA)を締結している。
同様に、ミズーリ州ノダウェイでは、設備容量236.5MWのホワイトクラウド風力発電所の操業が開始。こちらは、Associated Electric Cooperative(AECI)とPPAを締結している。建設投資額は3.8億米ドル(約395億円)。
同社はさらに、米国3ヵ所での再生可能エネルギー発電所の建設プロジェクトを推進。ノースダコタ州で設備容量299MWの風力発電、テキサス州で設備容量181MWと274MWの太陽光発電所を建設する予定。
【参照ページ】Enel Green Power starts construction of Castelmauro wind farm in Molise
【参照ページ】Enel Green Power brings online two new U.S. wind farms, including its largest renewable plant in operation worldwide
【参照ページ】Enel disconnected Unit I of coal plant Bocamina three years before date set in Chile’s National Decarbonization Plan
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