IT世界大手アップルとグーグルは1月8日から9日にかけ、パーラーが運営する同名のSNSアプリのダウンロードを停止すると発表した。アマゾンも1月10日、パーラーに対するAWSのサービス提供を停止すると発表した。事実上、パーラーはサービス提供停止に追い込まれる形となった。
パーラーは、2018年に米ネバダ州で創業した新しい掲示板型SNSで、投稿の規制を行わず、自由な投稿を奨励するスタンスを採っている。ツイッター、フェイスブック、スナップが1月8日までに、米ドナルド・トランプ大統領のアカウントを停止したことで、トランプ大統領や支持者は一斉にパーラーに情報発信と情報共有の舞台を移し、トランプ大統領への支持を呼びかける動きに出ていた。
【参考】【アメリカ】ツイッターとフェイスブック、トランプ大統領のアカウント停止。YouTubeも偽情報動画の規制発動(2021年1月8日)
グーグルは1月8日夜、同社のアンドロイドOSのアプリ提供サイト「Google Play Store」からパーラーを削除し、パーラーをダウンロードできなくなった。同社は、パーラーに対し再三、暴力を助長する投稿を取り締まるよう求めいてたことを明らかにした。同社は、技術的な問題から、アプリが暴力関連の投稿を即削除することは難しいことに理解をしつつも、事態を緩和する手を打つことを、Google Play Storeで扱うアプリの条件として掲げ、今回の連邦議会議事堂での暴力行為は、看過できない事態と判断した。
アップルも1月9日、iOSのアプリ提供サイト「Apple Store」からパーラーを削除した。同社は、パーラーが違法な投稿や危険な投稿の拡散を防ごうとする姿勢が不十分と判断し、同社の規約違反と判断した。同社は事前にパーラーに警告を出していたが、パーラーの対策が許容レベルに達していないと最終決定した。
アマゾンも、太平洋標準時で1月10日23:59に、AWSからパーラーを削除すると発表した。これによりパーラーは、アプリ運営を継続するためには、早急に他のホスティングサーバーを探さなければならなくなった。同社は1月9日、パーラーに対し、少なくともパーラー上で暴力を助長する行為が98件以上確認されたと通知。アマゾンは、パーラーに対し、パーラーがSNS上で許容する投稿のレベルを判断する権利があることは尊重しつつも、暴力行為を扇動する投稿を特定し削除することができない企業にAWSを提供できず、パーラーは規約違反を犯し、公共の安全を損なっていると断じた。
今回の決定に、パーラーのジョン・メッツCEOは大きく反発。アップル、グーグル、アマゾンの行為、そして先に大統領のアカウントを停止したフェイスブックとツイッターに対しても、インターネットから言論の自由を抹殺するものと非難している。
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