日本で12月11日、「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(水産流通適正化法)」が公布された。同法は、違法漁獲物の流通規制と、IUU(違法・無報告・無規制)漁業で水揚げされた水産物の輸入規制を定めている。2020年10月の臨時国会で成立。施行日は、公布日から2年以内に別途政令で定める。
同法は、違法に採捕された水産動植物の流通を防止することで水産資源量を保護することや、IUU漁業に対する規制強化の動きが強まっていることを受け、国内法として整備されたもの。特にIUU漁業に関しては、国連食糧農業機関(FAO)は、2001年にIUU漁業対策の考え方を取りまとめた「国際行動計画」を発表しており、20年を経て日本にようやく導入された。
同法では、農林水産省が、同省令により、国内において違法かつ過剰な採捕が行われるおそれが大きい魚種を「特定第一種水産動植物」、国際的にIUU漁業のおそれの大きい魚種を「特定第二種水産動植物」として指定する権限を付与し、各々の魚種についての規制を掲げている。同省令については、水産庁の水産政策審議会で事前に意見を聴くことを法定化した。
特定第一種水産動植物に指定されると、当該魚種の採捕事業者や橋渡しの事業を行う者は、行政機関への届出が義務化。その後のサプライチェーンで、輸出や消費者までの流通に関わる事業者は、漁獲番号等の取引記録を行い、トレーサビリティを確保しなければならない。また当該魚種の輸出事業者は、適法に採捕されたことを証明する適法漁獲等証明書を農林水産省または都道府県から取得しなければ、輸入が禁止される。伝達義務や取引記録義務に係る電子化に向けたシステムは、今後農林水産省での開発を検討する。
一方、特定第二種水産動植物に指定されると、適法に漁獲されたことを示す外国の政府機関等発行の証明書等を添付していなければ、輸入できなくなる。但し、国内流通に関しては、何も規制しなかった。
【参照ページ】特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律
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