EUの気象情報機関コペルニクス気候変動サービス(C3S)と、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)のコペルニクス大気モニタリングサービス(CAMS)は1月8日、2020年は2016年と並び世界の気温が最も高かった年だったと発表した。産業革命前よりも気温は世界平均で1.25℃上昇。シベリア北部では5℃以上上昇の地域もあった。また1851年の観測依頼、2011年から2020年までの10年間は、過去の10年平均と比べても最も気温が高かった。
今回の発表によると、欧州は2019年よりも平均気温が0.4℃高く、産業革命前との比較では1・6℃度上昇。日本でも産業革命前と比べて、広い範囲で1℃から2℃高かった。
大気中の二酸化炭素濃度は、2020年は前年から2.3ppm上昇し、2020年5月には最高値413ppmを記録。但し、上昇幅は前年の2.5ppmよりわずかに下がった。2015年と2016年は2.9ppmだった。ECMWFのビンセント・ヘンリー・ピュエッシュ氏は、二酸化炭素排出量をネットゼロにするまで、気温は上昇し続けるだろうと警告した。
また、米海洋大気庁は12月8日、2020年版の「北極圏報告カード」を公表し、2019年10月から2020年9月の北極圏の気温は観測史上2番目に高く、9月の会表面積は2番目に小さくなったと報告している。シベリアでは、2020年春に気温が異常上昇し、過去54年間で6月の雪量が最も低いレベルにまで下がった。
NOAAによると、北極圏の気候変動観測のために実施している「MOSAiC Expedition」調査では、砕氷船が想定上の速度で中央北極海を渡りきった。このことから、北極圏の氷は想定以上に薄くなっていることを示しているという。ロシアのサハ共和国では、積雪が記録的に少なく、熱波が襲ったことで、異常に大規模な山火事も発生した。
【参照ページ】Copernicus: 2020 warmest year on record for Europe; globally, 2020 ties with 2016 for warmest year recorded
【参照ページ】Sea ice loss and extreme wildfires mark another year of Arctic change
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