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【EU】欧州委、サステナブル・スマート・モビリティ戦略発表。ゼロエミッション重視。ハイブリッド車は対象外

 欧州委員会は12月9日、欧州グリーンディール政策に基づき、自動車及び交通・輸送産業戦略として「サステナブル・スマート・モビリティ戦略」を発表した。グリーンとデジタルを大幅に強化する。ハイブリッド車は戦略対象に盛り込まなかった。

 欧州委員会は今回、自動車及び交通・輸送分野は、EUのGDPの5%を占め、従業員数も1,000万以上をいる重要分野とした上で、二酸化炭素排出、大気汚染、騒音、交通事故、交通渋滞という課題を解決する必要があると指摘。新型コロナウイルス・パンデミックで、自動車産業全体が経済打撃を受けている中、産業全体のグリーン化と近代化のために官民投資を実行すれば、EUの自動車産業の競争力と持続可能性を高めることができると戦略の背景を説明した。

 その上で「誰一人と残さない」を達成するため、自動車の利用可能性と価格、魅力的な雇用創出についても実現していく政策課題と位置づけた。

 同戦略は2050年までの自動車産業のロードマップを提示している。

2030年目標

  • EU域内で走行している電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCV)を3,000万台以上
  • 欧州で100都市以上でカーボンニュートラルを達成
  • 自動運転が大規模に実現済み
  • 欧州域内の高速鉄道を現状の2倍
  • ゼロエミッション型の船舶が市場価格並みで実現
  • 500km未満の移動手段でのカーボンニュートラルを政策として実施

2035年目標

  • ゼロエミッション型の航空機が市場価格並みで実現

2050年目標

  • ほぼ全ての自動車、バン、バスでゼロエミッションを実現
  • トラックでは新車販売でゼロエミッションを実現
  • 鉄道貨物輸送を現状の2倍
  • 欧州横断輸送ネットワーク(TEN-T)のサステナブル&スマート化を完了

 欧州委員会は、今回の戦略を実行するため、10個の重点領域と82個の重要アクションも設定した。設定した重点領域は、

サステナブル

  • ゼロエミッション型の自動車、船舶、航空機、再生可能&低炭素型の燃料、関連インフラの導入。EV充電ステーションは2030年までに300万ヶ所
  • ゼロエミッション型の空港と港湾の構築。持続可能な航空機や船舶燃料の促進
  • 都市内及び都市間交通では、2030年までに高速鉄道網を2倍に増やし、サイクリングインフラも開発
  • 鉄道貨物輸送を2050年までに2倍に増やし、貨物輸送での二酸化炭素排出量を削減
  • 消費者にインセンティブ付けするため、全ての交通・輸送分野に公平で効率的なカーボンプライシング制度を導入

スマート

  • マルチモーダルでのコネクテッドと自動化を実現。チケット購入のワンストップ化等
  • ドローンや無人航空機の開発を全面支援するためのデータ活用やAIでのイノベーション

レジリエンス

  • 単一市場の強化。欧州横断輸送ネットワーク(TEN-T)を2030年までに完成等
  • 自動車価格やアクセス面での公平・公正性。雇用としての魅力向上
  • 2050年までに交通事故を限りなくゼロする等の安全性

 欧州委員会は、今回示した戦略とアクションを実行するため、EUの各機関、加盟国、産業界との協議を進めていく。

【参照ページ】A fundamental transport transformation: Commission presents its plan for green, smart and affordable mobility

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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