Zホールディングス傘下のヤフーは12月15日、2020年8月から開始した「広告サービス品質に関する透明性レポート」の2020年12月版をリリースした。同レポートは、広告主・広告会社・広告配信パートナー、ヤフーユーザーに対し、ヤフーのサービスおよび広告商品運営の安全性に関する透明性を伝えることを目的としている。同様の情報開示は、日本企業ではまだ非常に珍しい。
【参考】【日本】ヤフー、広告品質向上のため対策強化。アフィリエイトサイト広告の出稿も禁止(2019年5月15日)
同社は2019年5月に公告運営での3つの安心安全価値基準と6つの対策を発表。今回発表のレポートは、2020年度上半期(4月から9月)までの結果を開示した。広告審査では、Yahoo!広告で、約1.1億件の広告素材を基準等に基づき非承認。最上級表示・No.1表示や薬用化粧品(医薬部外品)、化粧品の基準に抵触する広告数の増加が見られた。広告アカウントの停止も2020年度上半期に2,436件あった。
2019年下半期との比較では非承認件数が10%増加しており、その要因については、2020年5月に不当表示を禁止する基準の審査基準の見直したことを挙げた。特に増加していた不当表示の基準に抵触した広告の非承認数では、定期購入(継続購入)を条件とした通信販売の消費者被害が増加しており、独立行政法人国民生活センターからも消費者に向け注意喚起が出ているという。そのため、同社でも審査基準を強化していた。
広告掲載面の事前審査に抵触したものは、ブランドセーフティとアドフラウドの両面で審査を行っており、2020年上半期の非承認率は前回の2019年下半期と同水準で、全体に占める割合は約18%。審査対象デバイスは、アプリ掲載面が大幅に増加し、2019年下半期に比べおよそ6倍の審査依頼があった。アプリ掲載面に関しては、 2020年8月からSpider Labs提供の「Spider AF(スパイダーエーエフ)」と連携を開始し、アドフラウドの発生疑いのあるアプリを事前に検知する取り組みをより一層強化しているという。
アドフラウド対策では、無効なトラフィックの排除を徹底するで、無効クリックを検知して排除する割合が、2020年上半期は2019年下半期と比べ、1.5倍になり、精度が向上した。無効クリックに関しては課金対象から除外しているため、広告主の費用影響は出ないようになっている。2020年9月には、無効クリックの検知精度を上げる対策を行い、対策完了までのタイムラグで発生していた広告費用については返金対応を行った。
【参照ページ】「広告サービス品質に関する透明性レポート 2020年12月リリース版」公開のお知らせ
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