アパレル世界大手米GAPは12月8日、コットン調達の綿花生産でのサステナビリティ向上のため、米国コットン・トラスト・プロトコル(U.S. Cotton Trust Protocol)、及びアパレル業界サステナビリティ推進NGOのTextile Exchangeが進める「2025サステナブル・コットン・チャレンジ」の双方に加盟したと発表した。
米国コットン・トラスト・プロトコルは、米国綿花推進の国際綿花評議会(CCI)主導で誕生した米国綿花生産者向けの新たなコットン・サステナビリティ認証制度。2019年に実証導入を始め、2020年の綿摘みシーズンから正式リリースされた。認証設計では、国連持続可能な開発目標(SDGs)、G7のファッション協定、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のファッション産業憲章、サステナブル・コットン・チャレンジ、Forum for the Futureの「Cotton 2040」等との整合性が意識された。
同認証での審査項目は、環境項目のみ。二酸化炭素排出量、水質、生物多様性、土地利用、土壌保全、土壌炭素、灌漑水消費、エネルギー消費の8つの項目でチェックされる。また認証でのトレーサビリティは、マスバランス方式を採用。第三者監査だけでなく、二者監査でも可となっている。サプライチェーンでの流通数量データは中央管理システム「Permanent Bale Identification」で一本化しており、データマネジメントを徹底していることが特徴と言える。
GAPは、以前から英ベター・コットン・イニシアチブ(BCI)との協働も進めており、今回米国コットン・トラスト・プロトコルが新たな認証制度として米国向けに誕生したため、そちらにも参画した形。
【参考】【アメリカ】GAP、2021年までに綿を100%持続可能な調達に。ベター・コットン・イニシアチブと協働(2017年5月7日)
一方、2025サステナブル・コットン・チャレンジは、2025年までに世界のコットンの50%以上を持続可能な生産手法に転換することを目指している国際イニシアチブで、英チャールズ皇太子の呼びかけで、2017年に発足した。アパレル・ブランド企業や小売企業が参画している。運営者のTextile Exchangeは、オーガニックかつ持続可能なコットン生産者の認定リストを作成しており、そこからの調達割合を引き上げることを狙う。米国コットン・トラスト・プロトコルも、Textile Exchangeに認定生産者認証として2020年4月に認定された。
GAPは2016年、調達コットンを2025年までに100%サステナブルなものに転換することを目標として設定。現在は57%となった。今回の両イニシアチブへの参画で、残りの43%分もさらに切り替える大きな推進力になるという。
【参照ページ】Gap Inc. joins both U.S. Cotton Trust Protocol and Textile Exchange’s 2025 Sustainable Cotton Challenge as part of its strengthened commitment toward its goal of 100% sustainable cotton by 2025
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